トリプルレッドを受けた金相場見通し

著者:菊川 弘之
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 また、バイデン政権下で環境破壊につながるとして制限されていたシェールオイル関連の規制緩和観測で原油は急落。株式市場でも「ハリス銘柄」が売られ、「トランプ銘柄」が上昇。大統領職と上下両院をすべて共和党が掌握する「トリプルレッド」をマーケットは急速に織り込み始めている。

 トランプ銘柄の一つである暗号通貨(ビットコイン)は、過去最高値を更新中だ。昨年末比で10割高と、2割高の世界株(MSCI)や、3割高の金を上回る。暗号資産(仮想通貨)全体の時価総額も12日、過去最大となった。

 米大統領選でのトランプ氏勝利に加え、議会選で仮想通貨推進派候補の多くが当選したことを受け、デジタル通貨の規制緩和に期待が高まっているのが背景だ。

 トランプ氏は大統領選挙戦で米国を「地球上の仮想通貨の首都」にすると表明。仮想通貨の規制強化を進めるゲンスラー証券取引委員会(SEC)委員長を解任する意向を示している。オハイオ州では仮想通貨業界最大の敵の1人とされていたブラウン上院銀行委員長が落選し、ミシガン、ウェストバージニア、インディアナ、アラバマ、ノースカロライナ各州では民主・共和の仮想通貨推進派候補が当選している。

 今回の米大統領選挙において最大のトランプ支援者となったテスラCEOのイーロン・マスク氏も仮想通貨を支持。トランプ氏の息子エリック・トランプ氏は12月、アブダビで開催されるビットコイン会議で基調講演を行う予定だ。

2024大統領選挙後の騰落率
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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