原油反発。米主要株価指数の反発などで。70.34ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,683.95ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は17,345元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は540.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1713.5ドル(前日比7.45ドル拡大)、円建てで8,595円(前日比107円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月22日 12時31分時点 6番限)
金 13,391円/g
白金 4,796円/g
ゴム 361.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,252円/mmBtu(25年3月限 11月19日17時18分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「世界分裂が食品小売価格を押し上げている」
前回は、「世界の民主主義は2010年ごろにピークアウト」として、各種コモディティ価格(過去約40年間)を確認しました。
今回は、「世界分裂が食品小売価格を押し上げている」として、2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景を確認します。
2010年ごろから世界分断・分裂が目立ちはじめた背景には、ESG(環境・社会・ガバナンス)とSNSの世界的な普及が挙げられます。
ESGは、企業が環境や社会問題に取り組む姿勢を評価する投資手法として普及しましたが、2023年にはESG投資からの資金流出が過去最大規模に達したり、米国の金融大手のCEOが「もうESGという言葉は使わない」と発言したりするなど、岐路に差し掛かっています。
このことは、行き過ぎた環境保護や行き過ぎた人権保護が、ESGを提唱する西側と、産油国や専制的な体制を敷く国が多い非西側との間で、分断・分裂が深化してきたことを示唆しています。
SNSは、感情優先、建設的な議論なしが許される世界であるため、民意が濁流と化す場になり得ます。2010年ごろ以降、武力衝突を伴う政権転覆が相次いだアラブの春やBREXIT、2016年・2024年のトランプ氏の米大統領選挙の勝利など、民主的かどうか議論が必要な大きな出来事が起きています。
最近では、SNS上で偽情報が横行したり、誹謗中傷が相次いだりして、建設的な議論ができなくなるケースが散見され、社会問題が発生しています。SNS起因の民主主義の後退は、民主主義を正義と考える西側の影響力後退、ひいては非西側の台頭を許すきっかけになり得ます。
そして、世界分断・分裂は、戦争や資源国の出し渋りの直接的なきっかけになり得ます。戦争や資源国の出し渋りは、コモディティ(国際商品)の価格を上昇させるきっかけになります。
世界で分断・分裂が目立つことで、「自国第一主義」が目立ちやすくなります。そうすると、自国の「食やエネルギーの安全保障」を訴える国が増えやすくなります。その結果、資源を武器として利用する国が増えやすくなります。実際に今まさに、人為的な「減産」は原油で、政治的意図を持った「輸出制限」は小麦などの農産物で断続的に行われています。
こうした主要な生産国による「資源の武器利用」は、コモディティ(国際商品)の需給を引き締める大きな要因になっています。武器利用の原因である分断・分裂が、2010年以降の世界規模の長期視点の大きな潮流の中で起きたことを考えると、早期に武器利用をやめさせることは困難だと言わざるを得ません。
それはすなわち、各種コモディティ(国際商品)市場に、強い上昇圧力が長期にわたりかかり続けること、ひいては「[Vol.1853] 主要国でじわじわ上昇する『エンゲル係数』」で述べた、「エンゲル係数」の上昇が継続する可能性があることを意味します。
図:2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景
出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,683.95ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年01月限は17,345元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は540.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1713.5ドル(前日比7.45ドル拡大)、円建てで8,595円(前日比107円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(11月22日 12時31分時点 6番限)
金 13,391円/g
白金 4,796円/g
ゴム 361.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,252円/mmBtu(25年3月限 11月19日17時18分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「世界分裂が食品小売価格を押し上げている」
前回は、「世界の民主主義は2010年ごろにピークアウト」として、各種コモディティ価格(過去約40年間)を確認しました。
今回は、「世界分裂が食品小売価格を押し上げている」として、2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景を確認します。
2010年ごろから世界分断・分裂が目立ちはじめた背景には、ESG(環境・社会・ガバナンス)とSNSの世界的な普及が挙げられます。
ESGは、企業が環境や社会問題に取り組む姿勢を評価する投資手法として普及しましたが、2023年にはESG投資からの資金流出が過去最大規模に達したり、米国の金融大手のCEOが「もうESGという言葉は使わない」と発言したりするなど、岐路に差し掛かっています。
このことは、行き過ぎた環境保護や行き過ぎた人権保護が、ESGを提唱する西側と、産油国や専制的な体制を敷く国が多い非西側との間で、分断・分裂が深化してきたことを示唆しています。
SNSは、感情優先、建設的な議論なしが許される世界であるため、民意が濁流と化す場になり得ます。2010年ごろ以降、武力衝突を伴う政権転覆が相次いだアラブの春やBREXIT、2016年・2024年のトランプ氏の米大統領選挙の勝利など、民主的かどうか議論が必要な大きな出来事が起きています。
最近では、SNS上で偽情報が横行したり、誹謗中傷が相次いだりして、建設的な議論ができなくなるケースが散見され、社会問題が発生しています。SNS起因の民主主義の後退は、民主主義を正義と考える西側の影響力後退、ひいては非西側の台頭を許すきっかけになり得ます。
そして、世界分断・分裂は、戦争や資源国の出し渋りの直接的なきっかけになり得ます。戦争や資源国の出し渋りは、コモディティ(国際商品)の価格を上昇させるきっかけになります。
世界で分断・分裂が目立つことで、「自国第一主義」が目立ちやすくなります。そうすると、自国の「食やエネルギーの安全保障」を訴える国が増えやすくなります。その結果、資源を武器として利用する国が増えやすくなります。実際に今まさに、人為的な「減産」は原油で、政治的意図を持った「輸出制限」は小麦などの農産物で断続的に行われています。
こうした主要な生産国による「資源の武器利用」は、コモディティ(国際商品)の需給を引き締める大きな要因になっています。武器利用の原因である分断・分裂が、2010年以降の世界規模の長期視点の大きな潮流の中で起きたことを考えると、早期に武器利用をやめさせることは困難だと言わざるを得ません。
それはすなわち、各種コモディティ(国際商品)市場に、強い上昇圧力が長期にわたりかかり続けること、ひいては「[Vol.1853] 主要国でじわじわ上昇する『エンゲル係数』」で述べた、「エンゲル係数」の上昇が継続する可能性があることを意味します。
図:2010年ごろ以降の世界分断発生とコモディティ(国際商品)価格上昇の背景
出所:筆者作成