[Vol.1864] 米シェール生産動向を分析する際の留意点

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.52ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,664.61ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は18,765元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は531.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1704.86ドル(前日比3.24ドル縮小)、円建てで8,195円(前日比59円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月3日 17時04分時点 6番限)
12,810円/g
白金 4,615円/g
ゴム 371.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,252円/mmBtu(25年3月限 11月19日17時18分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「米シェール生産動向を分析する際の留意点」
前回は、「掘って、掘って、掘りまくれ!」として、米国の原油生産量の推移を確認しました。

今回は、「米シェール生産動向を分析する際の留意点」として、米国のシェール生産までの工程(イメージ)と関連するデータを確認します。

米国の政府機関の一つであるEIA(米エネルギー情報局)が公表する多数の統計に、米国のシェール主要地区に関わるデータが含まれています。統計上、米国のシェール主要地区は、テキサス州を中心とした「パーミアン」「イーグル・フォード」「ヘインズビル」、ノース・ダコタ州を中心とした「バッケン」、そして東部のアパラチア山脈周辺の「アパラチア」の五つです。

テキサス州は、石油の生産・使用を推進する姿勢を強めるトランプ氏が率いる共和党が地盤の州、ノース・ダコタ州は来年1月発足するトランプ政権で新設される予定の「国家エネルギー会議」の議長に起用されたバーガム氏が知事を務める州です。

アパラチア山脈周辺は、選挙戦の激戦州の一つであるペンシルベニア州を含む、化石燃料の生産が市民の生活を徐々に向上させ始めている地域です。テキサス州も、ノース・ダコタ州も、アパラチア山脈周辺も、石油などの化石燃料と地域の政治・経済が深く関わり合っている深い州です。

シェールオイルを生産するための工程は三つあり、順番は「探索」→「開発」→「生産」です。そのうち開発は「掘削」→(待機)→「仕上げ」の順で行われます。

シェール関連のデータには、各種メディアなどで幅広く用いられている「稼働リグ数」のほか、「掘削済井戸数」「待機井戸数」「仕上げ済井戸数」「新規油井一つあたりの原油生産量」「原油生産量」などがあります。こうしたデータを組み合わせて分析を進めることによって、トランプ氏が述べた「掘りまくれ!」の影響が見えてきます。

図:米国のシェール生産までの工程(イメージ)と関連するデータ
図:米国のシェール生産までの工程(イメージ)と関連するデータ
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。