World Gold Councilの中を探しても、またGFMSにも世界の金の生産量を正確に示したものが見つからなかったが、US Geological Survey(USGS、アメリカ地質調査所:米国政府の科学調査機関のひとつ)の、『Mineral Commodity Summaries, February 2019』を見つけた。今年2月の発行なので、遅まきながらであり、すでにご存じの方も多いかと思うが、2018年の世界の金の生産量と確認埋蔵量の正式な数字は表とグラフの通りである。同レポートによれば、2018年の米国の金の資源量は33,000トンと見込まれ、確認埋蔵量が15,000トン、未確認が18,000トンと書いてあるが、おそらくこの数字は金の鉱石量であろう。埋蔵量の表には米国の金埋蔵量は世界第9位で3,000トンとある。米国の埋蔵量の4分の1は銅鉱石中にあるという。 世界の金の生産量は中国が第1位で、2位は豪州、3位にロシアが伸長してきて、米国が4位となっている。このレポートでは2018年の金の生産量は前年から+30トン増加した。米国の生産量は▲27トン、中国も▲26トンである。中国の減少は環境水質汚染の影響であるという。ロシアは+25トン、カナダも+21トンである。 金の埋蔵量はパプアニューギニアで大きな改定があった。2016年の資料では1,500トンだったものが12,000トンと8倍になっている。恐らく銅鉱山かニッケル鉱床からの副産物としての含有量の発見であろう。世界全体に2016年の資料と比較すると、大きな確認埋蔵量の増減がある。パプアニューギニア以外に中国、インドネシアが増加し、豪州、ロシア、南ア、カナダ、米国の埋蔵量が減少している。なお、この2018年の資料は直接US Geological Surveyからダウンロードしたものであるが、2016年のものは同じ出所とは書いてあるが、間接的なものである。 出典:U.S. Geological Survey Mineral Commodity Summary2019 発行日:2019年4月 作成:株式会社 コモディティー インテリジェンス