原油反落。米主要株価指数の反落などで。71.80ドル/バレル近辺で推移。
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,844.49ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)春節のため休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)春節のため休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1840.89ドル(前日比13.71ドル縮小)、円建てで9,375円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月4日 17時02分時点 6番限)
金 14,115円/g
白金 4,740円/g
ゴム 381.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,960円/mmBtu(25年4月限 12月19日17時25分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「トランプ氏はまるで『有事製造機』」
前回は、「金(ゴールド)相場、歴史的高値更新」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2025年2月時点)を確認しました。
今回は、「トランプ氏はまるで『有事製造機』」として、トランプ氏が製造する「有事」が金(ゴールド)相場に与える影響を確認します。
トランプ氏がもたらす影響を考える上で大変に重要なことは、以前の「[Vol.1849] 世界はトランプ氏にマウントされている」で述べたとおり、彼がもたらす影響は「悲喜こもごも」だということです。
しばしば、「人を外見で判断をしてはいけない」という言葉を耳にします。トランプ氏についても同様で、振る舞いが横暴だったり、言動が荒かったりする一方で、特定のグループの人々に過大とも言える期待をもたらすことがあります。
悲(暗)と喜(明)を世界中に同時に振りまいているトランプ氏は金(ゴールド)市場に、上昇圧力と下落圧力を同時にもたらしています。
トランプ氏を見た目で判断すると、上昇圧力が目立つように感じてしまいますが、実は同時に、株高やドル高、ウクライナ情勢の改善観測など、金(ゴールド)相場への下落圧力ももたらしています。こうした上下の圧力が同時進行しているのが、トランプ2.0下の金(ゴールド)相場だと言えます。
あえて「有事」のみを取り出すと、以下のように整理できます。中東リスクと米中リスクの拡大懸念は短中期視点の有事ムードをかき立て、資金の逃避先需要を増加させていると考えられます。
世界分裂の深化懸念は中長期視点の中央銀行の保有高増加観測を大きくしています。また、米国の民主主義の停滞懸念は超長期視点の見えないジレンマを大きくし、超長期視点の不安を強めたり、高インフレを継続させたりする可能性を高めています。
プロ野球の世界でしばしば、「安打製造機」という言葉が使われます。安打(ヒット)を量産する野球選手を例えた言葉です。日本では2,000本安打を達成すると、この言葉が当てはめられるケースがあります。
筆者はトランプ氏のことを「有事製造機」だと考えています。同氏は、自分と反対の姿勢を示す相手には獲物を狩る獣のように攻撃的な姿勢をあらわにし、同調する姿勢を示す相手には恐ろしいくらい柔和な姿勢で対応する、硬軟の差が大変に大きい人物です。
だからこそ、攻撃の対象になった国や組織、人物への厳しい姿勢は、当事国だけでなく周囲を大いに驚かします。これが有事製造機たるゆえんです。
我々はこれから4年間、ロシア、イラン、ベネズエラなど、従前から米国が強硬な姿勢を示している国々に対するトランプ氏の厳しい姿勢を横目で見ることになるかもしれません。また、先日の大統領就任式の後、トランプ氏が北朝鮮について柔和なもの言いで核兵器の保有を肯定するような姿勢を示したことが、後に重要な意味を持つかもしれません。
こうした個別の国への対応だけでなく、トランプ氏は足元、幅広い国との貿易において関税を引き上げることを決めたり、多くの国々の努力によって築き上げられた国際組織や枠組みから脱退して分断を深めたりしています。
就任式を経てますます、「有事製造機」の異名が板についたと言えます。今後もトランプ氏は、世界中にインパクトの大きさや影響を及ぼす時間軸が異なるさまざまな有事を振りまき続け、金(ゴールド)相場を支える可能性があります。
図:トランプ氏が製造する「有事」が金(ゴールド)相場に与える影響
出所:筆者作成 イラストはPIXTA
金反落。米10年債利回りの反発などで。2,844.49ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)春節のため休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)春節のため休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1840.89ドル(前日比13.71ドル縮小)、円建てで9,375円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月4日 17時02分時点 6番限)
金 14,115円/g
白金 4,740円/g
ゴム 381.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,960円/mmBtu(25年4月限 12月19日17時25分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「トランプ氏はまるで『有事製造機』」
前回は、「金(ゴールド)相場、歴史的高値更新」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2025年2月時点)を確認しました。
今回は、「トランプ氏はまるで『有事製造機』」として、トランプ氏が製造する「有事」が金(ゴールド)相場に与える影響を確認します。
トランプ氏がもたらす影響を考える上で大変に重要なことは、以前の「[Vol.1849] 世界はトランプ氏にマウントされている」で述べたとおり、彼がもたらす影響は「悲喜こもごも」だということです。
しばしば、「人を外見で判断をしてはいけない」という言葉を耳にします。トランプ氏についても同様で、振る舞いが横暴だったり、言動が荒かったりする一方で、特定のグループの人々に過大とも言える期待をもたらすことがあります。
悲(暗)と喜(明)を世界中に同時に振りまいているトランプ氏は金(ゴールド)市場に、上昇圧力と下落圧力を同時にもたらしています。
トランプ氏を見た目で判断すると、上昇圧力が目立つように感じてしまいますが、実は同時に、株高やドル高、ウクライナ情勢の改善観測など、金(ゴールド)相場への下落圧力ももたらしています。こうした上下の圧力が同時進行しているのが、トランプ2.0下の金(ゴールド)相場だと言えます。
あえて「有事」のみを取り出すと、以下のように整理できます。中東リスクと米中リスクの拡大懸念は短中期視点の有事ムードをかき立て、資金の逃避先需要を増加させていると考えられます。
世界分裂の深化懸念は中長期視点の中央銀行の保有高増加観測を大きくしています。また、米国の民主主義の停滞懸念は超長期視点の見えないジレンマを大きくし、超長期視点の不安を強めたり、高インフレを継続させたりする可能性を高めています。
プロ野球の世界でしばしば、「安打製造機」という言葉が使われます。安打(ヒット)を量産する野球選手を例えた言葉です。日本では2,000本安打を達成すると、この言葉が当てはめられるケースがあります。
筆者はトランプ氏のことを「有事製造機」だと考えています。同氏は、自分と反対の姿勢を示す相手には獲物を狩る獣のように攻撃的な姿勢をあらわにし、同調する姿勢を示す相手には恐ろしいくらい柔和な姿勢で対応する、硬軟の差が大変に大きい人物です。
だからこそ、攻撃の対象になった国や組織、人物への厳しい姿勢は、当事国だけでなく周囲を大いに驚かします。これが有事製造機たるゆえんです。
我々はこれから4年間、ロシア、イラン、ベネズエラなど、従前から米国が強硬な姿勢を示している国々に対するトランプ氏の厳しい姿勢を横目で見ることになるかもしれません。また、先日の大統領就任式の後、トランプ氏が北朝鮮について柔和なもの言いで核兵器の保有を肯定するような姿勢を示したことが、後に重要な意味を持つかもしれません。
こうした個別の国への対応だけでなく、トランプ氏は足元、幅広い国との貿易において関税を引き上げることを決めたり、多くの国々の努力によって築き上げられた国際組織や枠組みから脱退して分断を深めたりしています。
就任式を経てますます、「有事製造機」の異名が板についたと言えます。今後もトランプ氏は、世界中にインパクトの大きさや影響を及ぼす時間軸が異なるさまざまな有事を振りまき続け、金(ゴールド)相場を支える可能性があります。
図:トランプ氏が製造する「有事」が金(ゴールド)相場に与える影響
出所:筆者作成 イラストはPIXTA