ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は30~40トン。2月7日の価格はキロあたり70.55~71.45バーツ、RSS号タイ主要港2月積価格は238.0~242.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、1月20日時点6,089トン(前旬比303トン増)。

 1月中旬の入出庫は入庫1,089トン、出庫786トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅下落、上海ゴムは春節休場明けに一時弱含む場面もあったがその後は持ち直して17,000元台半ばで推移する中、OSEゴムはドル円が一時150.94円をつけるなど円高の影響により下げ幅を拡大、中心限月は370円台前半まで売り込まれ前週比で20円近い大幅安となった。株式は概ね堅調、米雇用指標軟化に伴う金利低下や欧州通貨安がリスクオン姿勢につながったか。商品は貴金属が金を中心に高値追いとなるも原油は続落、ドル円は151円台半ばと週間で4円強の円高ドル安が進行した。

 2月7日引け時点のRSS6月限(中心限月)は373.7円、TSR4月限(中心限月)は300.0円。週の高値はRSS394.7円/TSR310.0円、週の安値はRSS371.9円/TSR295.0円。

 現物価格は364円程に下落、天候懸念が後退しじり安となる中で円高進行が換算値押し下げを加速させた。上海ゴム在庫は増加基調を維持し18万トン台を回復、今後は需要動向に注意が必要な時間帯となりそうであり、自動車生産・販売等の指標を確認していきたい。OSEゴムは20円強の大幅下落となったが、前週比ではむしろ割高感が強まっており、現物入手が可能であれば新規輸入が検討できる水準となっている。現状では上海ゴムや現物価格の上昇、若しくは円安進行場面以外では新規買い妙味は乏しく、短期的なリバウンドに留まりやすいか。ただし、国内指定倉庫在庫は増加しつつあるとは言え3,000トン強であり、追加の新規入着が決まらなければ再度低在庫懸念が台頭する場面もあるだろう。中心限月は365.0~385.0円を予想する。

みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

岡地株式会社
国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp