石破長期政権となる可能性も浮上

著者:菊川 弘之
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 両名と同じく同じくカルヴァン派のプロテスタントである作家・佐藤優氏曰く「神に選ばれていることを察知できるのは、神に選ばれた人だけ。神に選ばれている者は特別の使命を持つ。そして、その意味を神に選ばれた者同士は理解する。この種の発言が社交辞令か否かは、信仰をきちんと持っているキリスト教徒は敏感に察知する」。

 トランプ大統領が首相選挙5回目の挑戦で成就した石破首相も苦難を乗り越え、日本を救うという使命感を持っていると連想されたのであろう。また、石破首相は安倍晋三元首相に言及し、昨年12月に面会した安倍氏の妻・昭恵氏を通じて受け取った書籍を紹介。「ピースと書かれてあり非常に感銘を受けた」と語ったことも両人の関係構築には役立ったはずだ。

 今回の日米首脳共同声明では、日米関係の核心的事項に関する事柄のみが明示され、中東やロシアなどに関する言及はほとんどなかったのは、トランプ政権下で、米国の外交政策に大規模な変動がありうるので、各論へのコミットメントを極力差し控えたものと見られる。

 事実、ロシアーウクライナ戦争の停戦に向けた動き(和平交渉)などが急速に進んでいる。トランプ米大統領は12日、第2次トランプ政権で初めてとなるプーチン大統領との会談をサウジアラビアで実施する可能性に言及した。「最初の会談はおそらくサウジになると思う」と表明した。またトランプ大統領は、ロシアをG7に引き戻してG8に戻したいとも言っている。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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