石破長期政権となる可能性も浮上

著者:菊川 弘之
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 ロシアの停戦条件として、ウクライナ大統領選挙実施が浮上している(ゼレンスキー大統領は2024年5月で任期切れ)。仮に、ゼレンスキーが選挙を拒否するようなら、ウクライナ議会が大統領を辞めさせ、最高会議議長を大統領代行として承認することも想定される。既に、米ロ間ではウクライナ・欧州抜きで停戦交渉が始まっている。トランプ大統領も、任期が切れているゼレンスキー氏には停戦合意に署名する資格がないと提起するプーチン大統領に同調している。

 ミュンヘンで行われた安全保障会議で、アメリカ副大統領のヴァンスが、ヨーロッパの国々で言論弾圧が行われていることや、反グローバリズムの政党が排除されていることについて批判した。ヨーロッパの安全保障の脅威は、ロシアや中国から来るのではなく、内部から来ていると痛烈に批判した。

 また、トランプ大統領はアメリカが拠出したウクライナ資金の使途についても調査を指示したと言われる。戦争が始まる前からの汚職・破綻国家の実態も明らかになってくるだろう。

 トランプ氏はSNSで「考えてみてほしい。そこそこ成功したコメディアンのゼレンスキーが米国に3500億ドル(53兆円)も出費させ、始める必要もなかった勝てない戦争に関与させた」と批判。米国が拠出した資金の半分は「行方がわからなくなっているとゼレンスキーが認めている」と記している。ウクライナは、4月20日の復活祭(イースター)までに停戦し、5月9日のロシアの戦勝記念日に、終戦合意に調印すると一部、リーク報道としてSNS上で飛び交っている。既にゼレンスキー外しは既定路線で、英国への亡命等で停戦協議は、淡々と進められそうだ。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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