[Vol.1935] 弱者プラチナと強者金(ゴールド)

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.69ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。3,059.24ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は17,095元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は534.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2082.89ドル(前日比12.89ドル拡大)、円建てで10,048円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月24日 18時54分時点 6番限)
14,641円/g
白金 4,593円/g
ゴム 350.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)

●NYプラチナ先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「弱者プラチナと強者金(ゴールド)」

前回は、「二つの顔を見極め、時流に即して分析を」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマを確認しました。

今回は、「弱者プラチナと強者金(ゴールド)」として、プラチナの需要内訳とフォルクスワーゲン問題を確認します。

プラチナ積立が大きな可能性を秘めていることをご存知でしょうか。世の中では、貴金属の積立といえば金(ゴールド)、というイメージが定着しているかもしれません。ですが、将来的にはプラチナ積立が、金(ゴールド)積立という巨人(ジャイアント)を打ち負かす(キリングする)可能性があります。

「純金積立」というサービス名に含まれているとおり、積立投資の王道は「金(ゴールド)」でしょう。同サービスで取引できるプラチナに比べれば「強者」と言えます。

実際の価格推移を振り返ってみても、金(ゴールド)に強者の風格が漂っています。プラチナは弱者のごとく、低迷を強いられています。2015年まで、価格差の議論がなされるほど、同じような値動きをたどっていた両者でしたが、転機が訪れました。同年9月に発覚した「フォルクスワーゲン問題」です。

当時、金融関係者はもとより、個人投資家の皆さまの間で、「プラチナはもうダメだ」「プラチナ価格はもう上がらない」などと、まことしやかにささやかれました。以下の図で示した文脈で語られるようになって以降、すっかり、プラチナは弱者が板についてしまいました。

プラチナという弱者は、金(ゴールド)という強者を、打ち負かすことができるのでしょうか。プラチナのジャイアント・キリングが実現し得るか、今後数回に分けて、確認していきます。

図:プラチナの需要内訳とフォルクスワーゲン問題
図:プラチナの需要内訳とフォルクスワーゲン問題
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。