原油反落。米主要株価指数の反落などで。60.82ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,132.21ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年09月限は14,975元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は480.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2196.96ドル(前日比37.46ドル拡大)、円建てで10,399円(前日比115円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(4月10日 18時49分時点 6番限)
金 14,687円/g
白金 4,288円/g
ゴム 295.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY原油先物 日足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「OPECプラスが自主減産縮小を前倒しした背景」
前回は、「原油相場は長期レンジ下限の60ドル割れ」として、足元の原油相場を取り巻く環境(2025年4月上旬)を、確認しました。
今回は、「OPECプラスが自主減産縮小を前倒しした背景」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格を、確認します。
OPECプラスは現在、協調減産(ベースになる減産)と、自主減産(有志国による一時的な減産)の二階建てで、原油の減産を実施しています。
OPECプラスは2024年12月の会合で、協調減産の実施期間を2026年12月までに延長することを決定しました。同時に、自主減産を2025年4月から縮小し始め、2026年後半に終えることを決定しました。そして4月、予定通り自主減産の縮小が始まりました。
ただ、トランプ氏の「相互関税」の発言があった日の翌日(4月3日)、原油相場の急落が始まったタイミングに、OPECプラスは5月の生産増加分を、予定していた3カ月分に相当する量(日量およそ41万バレル)に増やす(2カ月分を前倒しする)と発表しました。
このことは、2014年末から2015年にかけて発生した原油相場および主要株価指数の急落、「逆オイルショック」と同様、OPECプラスが原油相場を下支えすることを放棄したという印象を強め、直近の原油相場の下落に拍車をかけた可能性があります。
とはいえ、OPECは同組織のウェブサイトで、この一時的な生産増加分の引き上げは、市場の状況の変化に応じて一時停止または撤回される可能性がある、としています。
また、2カ月分を前倒しで生産増加分に含めることは、自主減産の縮小終了が2カ月前倒しになることを意味します。相場動向によっては、前倒しが撤回される可能性があるだけでなく、いたずらにOPECプラスの生産量が増加し続けるわけでは、ないのです。
今回の前倒しについては、あくまでも、関税の税率引き上げ→カナダやメキシコからの原油輸入量減少→米国の原油生産量増加→米国の原油生産シェア拡大→OPECプラスのシェア低下→OPECプラスの市場への影響度低下、という連想が拡大するのを止めるための措置であり、原油相場の下落に拍車をかける意図はさほどなかったと、筆者はみています。
OPECプラスが望む原油価格の水準は、IMF(国際通貨基金)が算出している、財政収支が均衡するときの原油価格を参照することが有用です。これによればOPECプラスに属する11カ国の平均は「90.87ドル」です。90ドルを超えることで、財政収支が均衡する計算です。
長期視点で見た高値水準を望みつつ、生産シェアを損なわないようにするために、OPECプラスは、巧妙な策を講じています。自主減産縮小だけを見れば生産量は増えそうですが、減産のベースである協調減産が同時進行していることを考えれば、原油相場を暴落させ得る過大な生産は行われないと言えます。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格 単位:ドル/バレル

出所:IMF(国際通貨基金)のデータを基に筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。3,132.21ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年09月限は14,975元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は480.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2196.96ドル(前日比37.46ドル拡大)、円建てで10,399円(前日比115円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(4月10日 18時49分時点 6番限)
金 14,687円/g
白金 4,288円/g
ゴム 295.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY原油先物 日足 単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「OPECプラスが自主減産縮小を前倒しした背景」
前回は、「原油相場は長期レンジ下限の60ドル割れ」として、足元の原油相場を取り巻く環境(2025年4月上旬)を、確認しました。
今回は、「OPECプラスが自主減産縮小を前倒しした背景」として、主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格を、確認します。
OPECプラスは現在、協調減産(ベースになる減産)と、自主減産(有志国による一時的な減産)の二階建てで、原油の減産を実施しています。
OPECプラスは2024年12月の会合で、協調減産の実施期間を2026年12月までに延長することを決定しました。同時に、自主減産を2025年4月から縮小し始め、2026年後半に終えることを決定しました。そして4月、予定通り自主減産の縮小が始まりました。
ただ、トランプ氏の「相互関税」の発言があった日の翌日(4月3日)、原油相場の急落が始まったタイミングに、OPECプラスは5月の生産増加分を、予定していた3カ月分に相当する量(日量およそ41万バレル)に増やす(2カ月分を前倒しする)と発表しました。
このことは、2014年末から2015年にかけて発生した原油相場および主要株価指数の急落、「逆オイルショック」と同様、OPECプラスが原油相場を下支えすることを放棄したという印象を強め、直近の原油相場の下落に拍車をかけた可能性があります。
とはいえ、OPECは同組織のウェブサイトで、この一時的な生産増加分の引き上げは、市場の状況の変化に応じて一時停止または撤回される可能性がある、としています。
また、2カ月分を前倒しで生産増加分に含めることは、自主減産の縮小終了が2カ月前倒しになることを意味します。相場動向によっては、前倒しが撤回される可能性があるだけでなく、いたずらにOPECプラスの生産量が増加し続けるわけでは、ないのです。
今回の前倒しについては、あくまでも、関税の税率引き上げ→カナダやメキシコからの原油輸入量減少→米国の原油生産量増加→米国の原油生産シェア拡大→OPECプラスのシェア低下→OPECプラスの市場への影響度低下、という連想が拡大するのを止めるための措置であり、原油相場の下落に拍車をかける意図はさほどなかったと、筆者はみています。
OPECプラスが望む原油価格の水準は、IMF(国際通貨基金)が算出している、財政収支が均衡するときの原油価格を参照することが有用です。これによればOPECプラスに属する11カ国の平均は「90.87ドル」です。90ドルを超えることで、財政収支が均衡する計算です。
長期視点で見た高値水準を望みつつ、生産シェアを損なわないようにするために、OPECプラスは、巧妙な策を講じています。自主減産縮小だけを見れば生産量は増えそうですが、減産のベースである協調減産が同時進行していることを考えれば、原油相場を暴落させ得る過大な生産は行われないと言えます。
図:主要原油輸出国の財政収支が均衡する時の原油価格 単位:ドル/バレル

出所:IMF(国際通貨基金)のデータを基に筆者作成