サウジアラムコ上場 時価総額およそ1.9兆ドル超

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。58.91ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,470.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は13,275元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年02月限は465.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで548.15ドル(前日比2.65ドル拡大)、円建てで1,901円(前日比2円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月11日 18時2分頃 先限)
 5,116円/g 白金 3,215円/g 原油 39,990円/kl
ゴム 198.4円/kg とうもろこし 23,570円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「サウジアラムコ上場 時価総額およそ1.9兆ドル超」

今回は「サウジアラムコ上場 時価総額1.9兆ドル超」として、日本時間の夕方に取引が始まったサウジアラムコの株価について書きます。

今回上場したサウジ国内の証券市場であるタダウル市場の取引時間は、現地時間の10時から15時(日本時間16時で取引終了は21時)です。

報道によれば、通常10時(16時)までの寄り付き前のオークション時間を30分延長したため、取引が10時30分(16時30分)から始まったとのことです。

以下の資料のとおり、最終売り出し価格が32リヤル(約8.64ドル)でしたが、35.2リヤル(約9.50ドル)で取引が始まりました。

株価は10%上昇したわけですが、これは制限値幅いっぱいの値動きとのことです。

この値動きにより、時価総額は資料のとおり、約7兆0400億リヤル、ドル換算で約1兆9008億ドルとなりました。

アラムコのIPOは、もともとムハンマド皇太子がおよそ4年前に打ち出したサウジの経済改革「ビジョン2030」における資金調達手段の目玉で、その際、アラムコの時価総額は2兆ドル、としていました。

また、先週、12月6日に行われたOPEC・非OPEC閣僚会議の終わりに、サウジのエネルギー大臣がアラムコの時価総額が、数カ月以内に2兆ドルに達すると発言したと報じられていました。

同大臣は王族ですので、王族が口をそろえて2兆ドルと発言している、つまり国を挙げて2兆ドルを達成しようとしているわけです。

あと5.5%程度株価が上昇すれば、2兆ドルを達成することができます。株価で言えば、37.2リヤル(10.00ドル)が目安です。

アラムコの株価の大きな変動要因とみられる原油相場が上昇すれば、そう遠くない未来に、アラムコの株価が上記の目安に達し、時価総額が2兆ドルに達すると考えられます。

図:サウジアラムコの株価・時価総額など(12月11日夕方時点)
サウジアラムコの株価・時価総額など(12月11日夕方時点)

出所:各種情報より筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。