[Vol.2098] 「思考停止」を「思考固定」と捉える

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。60.15ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。4,083.54ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年01月限は15,440元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年01月限は464.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2532.39ドル(前日比21.09ドル拡大)、円建てで13,620円(前日比21円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月19日 17時47分時点 6番限)
20,780円/g
白金 7,160円/g
ゴム 331.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『思考停止』を『思考固定』と捉える」
前回は、「『思考停止』は『適切に使うもの』に」として、「思考停止」の意味の変遷を、確認しました。

今回は、「『思考停止』を『思考固定』と捉える」として、現代版、金(ゴールド)投資における「思考停止・固定」のさせ方を、確認します。

そもそも投資は、「感覚」や「ノリ」で行う活動ではありません。取引画面に多数の専門用語が並んでいることから分かるとおり、知識を要する活動です。投資家の資産の額が場合によっては瞬時に増減する活動、関連する法令が多岐にわたる厳格な活動ともいえます。

さらには、短期売買なのか長期資産形成なのか、それらの同時進行なのか、投資家はある程度、事前に「投資の目的」を明確にする必要があります。投資資金の額や想定される期間、リスクの大きさなどを想定するためです。

また、投資活動が一般化した日本において、近年、金融庁は各種金融事業者に「フィデューシャリー・デューティー」を呼び掛けています。これは、金融事業者が原則を踏まえて何が顧客のためになるかを真剣に考え、横並びに陥ることなく、より良い金融商品・サービスの提供を競い合うよう促していくことを目指す、「顧客本位の業務運営」のことです。

現在の日本において、投資家のほか、投資活動の手段を提供する金融機関および、それを監督する当局、いずれも、思考を働かせながら投資活動に関わっています。よって、投資活動において、「思考停止」は望まれないといえます。時代が変化すれば、考慮しなければならない事柄も変化します。その意味でも「思考停止」はなじみません。

ですが、あえて「適切に使うもの」という意味の「思考停止」を現代の金(ゴールド)投資に導入するとすれば、以下が有効であると、筆者は考えています。「目的・手段・材料の時間軸を合わせる」という思考で停止・固定する、という考え方です。

図:現代版、金(ゴールド)投資における「思考停止・固定」のさせ方
図:現代版、金(ゴールド)投資における「思考停止・固定」のさせ方
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。