ついにサウジでも、新型コロナ感染者出現

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。47.27ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,639.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は11,060元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年05月限は375.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで761.4ドル(前日終値比13.7ドル縮小)、円建てで2,604円(前日終値比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(3月4日 18時15分頃 先限)
 5,648円/g 白金 3,044円/g 原油 34,460円/kl
ゴム 170.8円/kg とうもろこし 23,520円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「ついにサウジでも、新型コロナ感染者出現」

今回は「ついにサウジでも、新型コロナ感染者出現」として、WHO(世界保健機関)が日々公表するデータから、OPECプラス各国の新型コロナウイルスの感染者数等に注目します。

OPECプラスは現在23カ国あります。WHOのデータによれば、3月3日時点で、23カ国中13カ国で新型コロナウイルスの感染者が確認されています。また、同日はじめて、サウジで感染者が確認されました。

OPECプラスは、今晩(3月4日)のJMMC(共同閣僚監視委員会、通称:減産監視委員会)に続き、明日のOPEC総会、明後日のOPEC・非OPEC閣僚会議と、重要な会合を控えています。

すでに感染者数が2桁に達しているイラン、クウェート、イラク、UAE、バーレーン、そしてマレーシアについては、会合に参加するそれらの国々の要人が感染し、そのままウィーンに向かった可能性はゼロではありません。

もしウィーンで発症した要人がいれば、会合の中断、あるいは簡略化して継続(健康な一部の要人のみで会合を進めるなど)、などの措置が講じられる可能性があります。

また、昨日はじめてサウジで感染者が出ましたが、1500名を超え、世界4番目の感染国となっているイランをはじめ、ロシアを含む名だたる産油国にも感染が拡大していることから、仮に、OPECプラスの国々で今後も感染が拡大した場合、産油活動に支障が出ることを想定する必要が生じます。

新型肺炎の蔓延によって実体経済に影響が出ている国があるわけですが、同じ意味で、産油国の実体経済そのものである産油活動が停滞する可能性があるわけです。

産油国における感染状況が、重要な会合の進行(引いては決定事項)、およびその後の原油生産量にも影響する可能性があることを想定する段階に入ったと、筆者は考えています。

図:OPECプラス各国における新型コロナウイルス感染者数(3月3日時点で感染者が確認されている13カ国のみ) 単位:人
OPECプラス各国における新型コロナウイルス感染者数

出所:WHO(世界保健機関)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。