止まらない中国以外での感染拡大 米国では初めて死者発生

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。46.98ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,639.70ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は11,120元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年05月限は373.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで773.1ドル(前日終値比5.3ドル拡大)、円建てで2,645円(前日終値比22円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(3月5日 18時0分頃 先限)
 5,647円/g 白金 3,002円/g 原油 34,230円/kl
ゴム 173.2円/kg とうもろこし 23,850円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「止まらない中国以外での感染拡大 米国では初めて死者発生」

前回は「ついにサウジでも、新型コロナ感染者出現」として、WHO(世界保健機関)が日々公表するデータから、OPECプラス各国の新型コロナウイルスの感染者数等に注目しました。

今回は「止まらない中国以外での感染拡大 米国では初めて死者発生」として、世界全体の新型コロナウイルス感染者数(前日比)に注目します。

WHOの統計によれば、3月4日時点で、世界全体の新型コロナウイルスの感染者は93090人です。そのうち、中国は80422人、中国以外は12668人です。

3月4日時点の世界全体の感染者のうち、中国が86.4%、中国以外が13.6%です。

一方、前日比でみると、3月4日は世界全体で2223人増加(+2.4%)しましたが、うち中国は120人増加(+0.1%)、中国以外は2103人増加(+16.6%)でした。

以下のグラフのとおり、前日比の増加数でみると、ここ数日間は圧倒的に中国以外が多いことがわかります。3月4日の前日からの増加数の94.6%が中国以外でした。

また、3月3日に初めて米国で新型コロナウイルスによる死亡者(2名)が、そして4日は4名の死亡者が確認されました。

各種市場の中心地である欧米を含む中国以外で、感染者・死亡者が増加している最中であることは、世界規模の懸念が、拡大中であることを示しています。

野党側の予備選が重なるスーパーチューズデーで、前副大統領バイデン氏が躍進したことで、株式市場、そして原油市場も、一時的に反発色を強めました。

しかし、もともと株式市場や原油市場を急落させた新型コロナウイルスの懸念が、衰えるどころか、世界全体に拡大している最中であることから、目をそらしてはいけません。

引き続き、新型コロナウイルスの世界規模の懸念拡大に注意が必要です。

図:世界全体(中国と中国以外)の新型コロナウイルス感染者(前日比)
単位:人
世界全体(中国と中国以外)の新型コロナウイルス感染者(前日比)

出所:WHO(世界保健機関)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。