世界の石油消費量の見通しも、引き下げが続く

著者:吉田 哲
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原油反発。主要株価指数の反発などで。38.15ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,738.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,315元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は295.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで906.9ドル(前日比9.5ドル拡大)、円建てで3,178円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(6月18日 18時57分頃 先限)
 5,954円/g 白金 2,776円/g 原油 27,290円/kl
ゴム 157.7円/kg とうもろこし 22,790円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「世界の石油消費量の見通しも、引き下げが続く」

前回は「政治と原油価格に翻弄されるノースダコタ州」として、EIA(米エネルギー省)が6月15日(月)に公表した米シェール主要地区の各種データから“バッケン地区”のデータに注目しました。

今回は「世界の石油消費量の見通しも、引き下げが続く」として、EIAが毎月半ばに公表している短期見通しから、世界の石油消費の見通しに注目します。

以前に、米国の原油生産量の見通しについて述べた「引き下げが続く、米国の石油消費量の見通し」の“世界”版です。

米国と同様、世界の石油消費量の見通しも、公表されればされるほど、今年の年末の水準が切り下がっています。

6月と7月の見通しについて、わずかながら、6月公表の見通しが5月公表の見通しを上回りました。

この点は、5月公表の見通しが、6月公表の見通しよりも、悲観的だったため、だと考えられます。

この流れで言えば、7月の同統計でも“足元の”見通しは、わずかながら上方修正される可能性があります。

ただ、同時に、年末の水準が引き下げられた場合、新型コロナのマイナスの影響が長期化していることが、さらに強く示唆されることになります。

市場は、短期的な消費回復と長期的な消費回復、どちらを望むのでしょうか?

パウエルFRB議長が、2021年末までゼロ金利を継続する、と発言した時、市場は、新型コロナウイルスのマイナスの影響が長期化することを嫌気した、反応を示しました。

短期的な消費回復ではなく、長期的な消費回復が、市場の望みと、考えられます。

引き続き、米国および世界全体の石油消費量の見通しに、注目していきます。

図:米国の石油消費量の見通し 単位:百万バレル/日量
米国の石油消費量の見通し

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。