減産延命を勧告した、JMMC

著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。39.92ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの上昇などで。1,854.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は12,675元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は262.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで998.3ドル(前日比18.8ドル縮小)、円建てで3,392円(前日比31円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月28日 18時58分頃 先限)
6,281円/g 白金 2,889円/g
ゴム 188.3円/kg とうもろこし 23,830円/t

●WTI原油 日足 (単位:ドル/バレル)
WTI原油日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡより

●本日のグラフ「減産延命を勧告した、JMMC」

前回は「米国のシェール主要地区の原油生産量が、回復している理由」として、9月14日(月)にEIA(米エネルギー省)が公表した米シェール主要地区の各種データより、最新の8月分を含んだ、これまでの同地区の新規1油井あたりの原油生産量、および稼働リグ数について、考えました。

今回は「減産延命を勧告した、JMMC」として、9月17日(木)に開催されたJMMC(共同閣僚監視委員会)の内容について書きます。

以前の「OPECプラス減産順守のニュースは、冷静に判断しなければならない」で述べたとおり、JMMCは、OPECプラス内のOPEC側のリーダー格であるサウジ、そして非OPEC側のリーダー格であるロシアなどで構成される、実質的に総会のような会議体です。

JMMCは、総会に決議事項を勧告したり(決定権はない)、同じ配下組織の一つであるJTC(共同技術委員会)が集計したデータを分析し、減産順守率を計算・公表したりします。このような役割を、2017年1月の協調減産開始以来、担ってきました。

9月17日(木)のJMMCは、OPEC・非OPEC閣僚会議に、5月と6月に減産を順守できなかった国が行うこととなっている、減産未達分(基準を超えて生産した分)を上乗せして削減する、いわゆる“埋め合わせ”をする期限を、9月から12月に修正することを、勧告しました。

当該箇所(ⅱ)の下部(ⅳ)に書かれているとおり、現在の減産合意を継続するかどうかを判断する条件の一つに(ⅱ)の履行が、含まれていました。

(ⅱ)の期限を12月までに修正することが勧告されたことは、JMMCが、減産非順守だった国が9月まで埋め合わせをすることは困難、OPECプラスは減産を継続するべき、などの認識を持っていることを、示しています。

また、2017年1月から2020年3月までの多くの場面で、サウジは多めに減産をして、減産を順守していない国の肩代わりをしてきましたが、5月からの減産に導入された“埋め合わせ”の考え方は、そのような肩代わりをせず、減産に参加する国々が削減目標を各々きちんと順守するための仕組みとして導入されたと言えます。

このような仕組みを導入してもなお、期限を延長せざるを得ないことは、相当、減産順守の難易度が高い(目標削減量が多すぎる)か、そもそも減産を順守する意思がないか、あるいは当事国外から何らかの力が加わっている、などが考えられます。

次回のJMMCは10月15日(木)と19日(月)です。引き続き、彼らの動向に注目したいと思います。

図:6月6日にOPECプラスが合意した内容と、9月17日のJMMCで勧告された修正内容
6月6日にOPECプラスが合意した内容と、9月17日のJMMCで勧告された修正内容
出所:OPECの資料より筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。