米大統領選挙と金相場

著者:菊川 弘之
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 共和党は現在、上院の100議席のうち53議席を占めているが、2人の議員が「選挙が終わるまで手続きを進めるべきではない」と表明している。それでも現状、過半数の賛同を得られるが、承認採決はオンラインで行うことが認められず、議員が議場に行く必要があるため、感染者が増えれば、大統領選挙前の承認が困難になる可能性もがある。

 「12月の第2水曜日の次の月曜日(12/14)」の選挙人投票までに、大統領選挙の結果が確定しない場合、憲法修正12条が発動されて、決定が下院に持ち込まれることとなる。憲法修正12条では「各州に1票づつ割当てカウントする」となっており、この場合トランプ大統領再選の可能性が高まる。大統領選挙の行方は、依然として波乱含みと見たほうが良いだろう。22日に予定されているテレビ討論会に向けて、「オクトーバー・サプライズ」の第二弾・三弾が飛び込んでくるリスクも残ったままだ。

 10月22日に米FDA(食品薬品局)で新型コロナに関する発表が予定されている。ここでトランプ大統領が「対コロナ戦争勝利宣言」として、ワクチンの国民全部への投与を公約する可能性も噂されている。トランプ大統領は自身が投与を受けた米リジェネロン・ファーマシューティカルズREGN.Oが開発中の「抗体カクテル」を全ての米国民に無料で配布したいとの考えを示している模様。内政の不安を外交問題に転嫁するリスクも残っているが、有権者の関心は内政問題で、オクトーバー・サプライズがあるとすれば、内政にインパクトがある出来事(ワクチン開発やオバマゲート関連)ではないか?

米財政赤字拡大から遅行して金価格上昇
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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