原油反落。米主要株価指数の反落などで。37.77ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドルインデックスの反発などで。1,896.90ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は16,535元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は252.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1022.6ドル(前日比2.5ドル縮小)、円建てで3,431円。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月28日 20時9分頃 先限)
金 6,374円/g 白金 2,943円/g
ゴム 290.6円/kg とうもろこし 24,510円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米シェールの最主要地区、パーミアン地区で起きていること」
前回は「米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?②」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している短期見通しに収録されている、米国のガソリン消費量の見通しに注目しました。
今回は「米シェールの最主要地区、パーミアン地区で起きていること」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している、米シェール主要地区の各種データから、最主要地区である“パーミアン地区”のさまざまなデータについて書きます。
“パーミアン地区”とは、米国南部のテキサス州をメインとし、ニューメキシコ州にまたがり、EIAがシェール主要地区と提唱する7つの地区の中で最も原油生産量が多い地区です。同省のデータでは、9月の同地区の原油生産量は日量438万バレルでした。
同月、7地区合計は日量790万ですので、バーミアン地区は全シェール主要地区の55%強を生産したことになります。また、これは同月の米国全体の39%です。
さらに、日量369万バレルだった同月のイラクの原油生産量を上回っています(同国が減産期間中であり、油種が異なるため参考)。
つまり、パーミアン地区は、米シェールを支え、米国全体を支え、OPEC2位を凌ぐ、生産地区であるわけです。そして今、このパーミアン地区の状況が、大きく変化している可能性があります。
以下のグラフは、パーミアン地区の掘削済井戸数、仕上げ済井戸数、そしてDUC(drilled but uncompleted 掘削済・未仕上げ井戸)数を示しています。
掘削済井戸数と仕上げ済井戸数が、2020年3月以降、急減していることがわかります。
掘削済井戸数の急減は、同地区で新規の開発がほとんど停止していることを意味します(稼働リグ数が急減していることと一致)。仕上げ済井戸数の急減は、原油生産を前提とした最終的な作業がほとんど行われていないことを意味します。
さらに、同じタイミングでDUCがほぼ横ばいであることから、これまでに掘削して仕上げをしていなかった井戸を仕上げをして、生産開始にこぎつけているわけでもなさそうです。
それでも、日量790万バレルの生産がおこなわれています。その背景にはいくつか要因があるとみられます。
①既存油井からまだ潤沢に生産が行われていること、②掘削済井戸数と仕上げ済井戸数がゼロではないことから、極めて良好な鉱脈を探索し、そのような鉱脈に特化して、コストを抑えながら効率よく掘削・仕上げが行われていること、などです。
ただ、もともと米シェールの油井の寿命は、サウジなどの従来型油田と比べてはるかに短いと言われているため、今は①の理由で生産量を維持できたとしても、近い将来、限界に達する可能性があります。
また、生産効率が極めて良好な鉱脈を探すにも、コストと時間がかかること、そしてそのような鉱脈が多数は存在しない可能性がある(効率が良い鉱脈があるのであればすでに開発されている可能性がある)ことから、このような状況も長く続かない可能性があります。
このように考えれば、近い将来、パーミアン地区の原油生産量は減少し、やがて米国全体の原油生産量も減少する可能性があります。この材料は、原油市場を下支えする要因になり得ます。
もちろん、この材料を帳消しにして余りある下落要因が発生した場合は、原油相場は下落する可能性もありますが、それでも、2010年ごろにはじまったシェール革命以降、2020年3月まで、時にはOPECプラスの協調減産の効果を相殺する、一大供給圧力として名をはせた米シェールの勢いが後退することは、心理的にも、原油相場を下支えする可能性はあると、筆者は考えています。
図:米シェール最主要地区“パーミアン地区”の掘削済井戸数・仕上げ済井戸数、DUCの数
単位:基
出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成
金反落。ドルインデックスの反発などで。1,896.90ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は16,535元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は252.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1022.6ドル(前日比2.5ドル縮小)、円建てで3,431円。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月28日 20時9分頃 先限)
金 6,374円/g 白金 2,943円/g
ゴム 290.6円/kg とうもろこし 24,510円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米シェールの最主要地区、パーミアン地区で起きていること」
前回は「米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?②」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している短期見通しに収録されている、米国のガソリン消費量の見通しに注目しました。
今回は「米シェールの最主要地区、パーミアン地区で起きていること」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している、米シェール主要地区の各種データから、最主要地区である“パーミアン地区”のさまざまなデータについて書きます。
“パーミアン地区”とは、米国南部のテキサス州をメインとし、ニューメキシコ州にまたがり、EIAがシェール主要地区と提唱する7つの地区の中で最も原油生産量が多い地区です。同省のデータでは、9月の同地区の原油生産量は日量438万バレルでした。
同月、7地区合計は日量790万ですので、バーミアン地区は全シェール主要地区の55%強を生産したことになります。また、これは同月の米国全体の39%です。
さらに、日量369万バレルだった同月のイラクの原油生産量を上回っています(同国が減産期間中であり、油種が異なるため参考)。
つまり、パーミアン地区は、米シェールを支え、米国全体を支え、OPEC2位を凌ぐ、生産地区であるわけです。そして今、このパーミアン地区の状況が、大きく変化している可能性があります。
以下のグラフは、パーミアン地区の掘削済井戸数、仕上げ済井戸数、そしてDUC(drilled but uncompleted 掘削済・未仕上げ井戸)数を示しています。
掘削済井戸数と仕上げ済井戸数が、2020年3月以降、急減していることがわかります。
掘削済井戸数の急減は、同地区で新規の開発がほとんど停止していることを意味します(稼働リグ数が急減していることと一致)。仕上げ済井戸数の急減は、原油生産を前提とした最終的な作業がほとんど行われていないことを意味します。
さらに、同じタイミングでDUCがほぼ横ばいであることから、これまでに掘削して仕上げをしていなかった井戸を仕上げをして、生産開始にこぎつけているわけでもなさそうです。
それでも、日量790万バレルの生産がおこなわれています。その背景にはいくつか要因があるとみられます。
①既存油井からまだ潤沢に生産が行われていること、②掘削済井戸数と仕上げ済井戸数がゼロではないことから、極めて良好な鉱脈を探索し、そのような鉱脈に特化して、コストを抑えながら効率よく掘削・仕上げが行われていること、などです。
ただ、もともと米シェールの油井の寿命は、サウジなどの従来型油田と比べてはるかに短いと言われているため、今は①の理由で生産量を維持できたとしても、近い将来、限界に達する可能性があります。
また、生産効率が極めて良好な鉱脈を探すにも、コストと時間がかかること、そしてそのような鉱脈が多数は存在しない可能性がある(効率が良い鉱脈があるのであればすでに開発されている可能性がある)ことから、このような状況も長く続かない可能性があります。
このように考えれば、近い将来、パーミアン地区の原油生産量は減少し、やがて米国全体の原油生産量も減少する可能性があります。この材料は、原油市場を下支えする要因になり得ます。
もちろん、この材料を帳消しにして余りある下落要因が発生した場合は、原油相場は下落する可能性もありますが、それでも、2010年ごろにはじまったシェール革命以降、2020年3月まで、時にはOPECプラスの協調減産の効果を相殺する、一大供給圧力として名をはせた米シェールの勢いが後退することは、心理的にも、原油相場を下支えする可能性はあると、筆者は考えています。
図:米シェール最主要地区“パーミアン地区”の掘削済井戸数・仕上げ済井戸数、DUCの数
単位:基
出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成