米金利上昇に伴う下落した金相場見通し

著者:菊川 弘之
 2020年コロナショック以降、米国で大型の経済対策が実施されたと同時に、量的緩和再開から景気回復見通しで期待インフレ率が大きく上昇したことで、米10年国債利回りは、2020年の夏場以降、緩やかに水準を切り上げてきた。 この流れに変化が出てきたのが、1月5日の米上院2名の決選投票(ジョージア州)だ。民主党が2議席を押さえ、大統領と上下両院を民主党が主導する「トリプルブルー」が成立すると、財政出動が加速・財政赤字拡大思惑から米10年国債利回りが上昇(価格は下落)、ドル円は反発、NY金が下落となった。

 NY金(2月限)は、200日移動平均線を割り込む急落を見せたが、米国債入札が好調で金利上昇に歯止めがかかったこと、FRBのパウエル議長が利上げ否定を明言したことなどを受け、金利上昇とドル高・NY金安は一服となっている。

 また、ドル安の一因となっているのがユーロ安。イタリア連立政権を構成する少数政党「イタリア・ビバ」の閣僚2人が13日に辞任したと伝わった。同党を率いるレンツィ元首相が新型コロナウイルス後の復興計画に不満を示し、政府を批判していた。同国の政治不安が意識され、ユーロ売り・ドル買い・NY金売りを招いた。  


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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