一方、イタリア政局はドラギ元ECB総裁就任でユーロ高に振れており、金の支持要因に変化している。また、新型コロナウイルス絡みで買われているのが英ポンド。ワクチン接種が進んでいることが理由。
一時、大口投機玉は各通貨に対してドル売りポジションを積み増していたが、足元の数週間でポジション調整は進んでいる状態。
ビットコイン急騰に関しては、米電気自動車のテスラが暗号資産(仮想通貨)のビットコインを15億ドル(約1600億円)分購入したことが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかになったことがきっかけだが、同時に現金の一部を地金、金の上場投資信託(ETF)などに振り向ける可能性も指摘されている。今後のSEC四半期報告(13F)で確認したい。
また、北米で初めてとなる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの上場投資信託(ETF)が18日、カナダのトロント証券取引所に上場した。売買代金は1億6500万ドル(約174億円)に上った。短期的な変動・上昇に注目が集まっているが、長期的には、暗号資産がドルの基軸通貨の地位を脅かすものとなるなら、金にとっては強気要因となるだろう。
10年債利回りと相関の高い金銅レシオは、景気回復基調の際は上昇、景気後退期には下降トレンドを描くが、バイデン政権による脱炭素・電気自動車シフトの動きもあり、銅価格上昇を背景にレシオは上昇基調を継続している。景気回復期待・物価上昇期待を背景とした金利上昇圧力(金の上値抑制要因)は継続しそうだ。
