週刊石油展望

著者:三浦 良平
先週末のWTI原油は前週比 1.05ドル高の65.68ドル、ブレント原油は同1.72ドル高の69.34ドルとなった。

 前週末の海外原油は急伸。前日にOPECプラスが現行の減産体制をほぼ維持すると決定したほか、サウジアラビアが日量100万Bの自主減産を継続する意向を示したことが好感され堅調な推移となった。

 先週はOPECプラスやサウジによる減産体制が維持される見通しとなったことや、サウジが攻撃を受けたとの報から一時約1年半ぶりの高値を付けたものの、戻りは売られると上げ幅を縮小する展開となった。週明けはイエメン武装組織がサウジ東部の石油施設が集中する地域を攻撃したとの報から時間外で急騰したものの、石油施設への被害はなかったと伝わったことで戻りを売られると軟調な推移となった。また、米金利上昇への警戒感からドル高推移していることも重しとなった。翌9日もこれまでの上昇に対する調整の動きから上値重い推移となると、EIA月報において米原油生産見通しが上方修正されたことやドル高進行が重しとなり下落した。翌10日はEIA統計において原油在庫は急増していたものの、ガソリン等の製品在庫の取り崩しが進んでいたことが好感され反発した。また、米下院で追加経済対策法案が可決されたことで景気回復期待が高まり、株高推移したことにも支えられた模様。週末にかけても堅調な流れが続くと、OPEC月報において世界石油需要見通しが上方修正されたことや、景気回復による原油需要の回復期待に支えられる格好となり続伸した。



 先述の通り、4日のOPECプラス会合では、4月から現行日量720万バレルの減産枠縮小とサウジアラビアの自主減産100万バレルの停止が予想されていたが、減産枠は原則据え置き、さらにサウジの自主減産継続とが決定し、強気サプライズとしてマーケットは買い一色となった。テクニカル面でみると、WTIで2019年半ば、及び2020年年初、それぞれ65ドルを少し超えたところで跳ね返されており、その値位置を達成した後は一定程度の利食い売りが入ってもおかしくはない。ただし、利食い売りで押された後、押し目では買いを入れやすい環境ではあるので、突っ込み売りを避けながら、次の買い場を探す展開が想定されるところだ。

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長代理として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。