[Vol.996] 昨年末から銅需要はやや減少中

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。66.75ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,869.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,390元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年07月限は436.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで634.25ドル(前日比11.15ドル拡大)、円建てで2,221円(前日比2円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月18日 17時42分頃 先限)
6,545円/g 白金 4,324円/g
ゴム 246.9円/kg とうもろこし 34,160円/t

●NY銅先物(期近) 月足  単位:ドル/ポンド


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「昨年末から銅需要はやや減少中」

前回は、「期待先行相場は、対象を入れ替えながら膨張」として、2020年11月ごろから目立ち始めている「期待先行相場」について書きました。

今回は、前回に関連し、「昨年末から銅需要はやや減少中」として、世界の銅需要の推移について書きます。

以下は、世界の景気動向を示す指標とされる、世界全体の銅の需要の推移です。

新型コロナが「パンデミック化した(世界的な流行となった)」と、WHO(世界保健機関)が宣言したのが2020年3月でした。この3月の前後、銅の需要は一時的な最悪期を迎えました。この最悪期、銅需要は2019年上旬以来の低水準まで、落ち込みました。

その後、主要国の大規模な金融緩和や、中国経済回復などにより、銅の需要は回復し始めました。(この点は、期待ではなく「実態」として考慮できる点です)

ただ、「2020年11月」以降、銅の需要はやや減少に転じています。直近のデータでは、世界の銅の需要は、新型コロナのパンデミック化前の水準まで減少しています。

以前の「相次ぐ、史上最高値更新。もはや「お祭り騒ぎ」!?」で述べたような、「2020年11月」を起点とした複数の銘柄の記録的な価格上昇に実態(需要増加)が伴っているのか?と問われれば、ゼロではないが十分ではない、と答えざるを得ません。世界の石油の需要も、回復はしているものの、「2020年11月」前後以降は横ばいとなり、新型コロナのパンデミック化前の水準に戻っていません。

世界の景気動向を示す指標とされる、世界全体の銅と石油の需要動向から見て、「期待先行」という考え方が、相次ぐ史上最高値更新を正しく説明していると感じます。

図:世界の銅需要 単位:百万トン


出所:ブルームバーグより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。