第10回、移動平均線 その6、『 移動平均線の複数使い 』後編


【3、減速上昇・減速下降】

□今度は収束パターン。下図のように、上昇トレンド(あるいは下降トレンド)において3つの線の収束(間隔が狭くなること)が見られたならそれはトレンドの勢いがなくなっていることの象徴。ということは次の段階へ移行するのではないかと警戒する。



□①の次は②、つまり短期線と中期線のクロス、ということは短期線がどんどん中期線に近付いていくと変化期だということがわかる。そのとき、長期線と中期線の間隔もやや狭くなるのだが、圧倒的に短期線と中期線の間隔が狭くなる。

■「なるほど、大循環分析を知っていれば一手先が読めるわけですね。」

□そゆこと。一手先が読めるかどうかがトレードの勝敗を分ける。この上昇トレンドの完成(下降トレンドの完成)時の3つの基本パターン、平行上昇(下降)・拡散上昇(下降)・収束上昇(下降)を覚えておけば、トレンドの強さがわかる。そしてそれにより、今後トレンドがどれくらい長続きするかが予想出来る。

■「なるほろぉ(←感心)」

□さて、では実戦チャートで解説していこう。ご覧あれ。
こちらは東京金のチャート
短期線は5日移動平均線、中期線は20日移動平均線、長期線は40日移動平均線を利用している。




■「いやあ、実際のチャートを見るとわかりやすいですね。なんか燃えてきます」

□何しろこの講座、使えるテクニカル講座『実践編』と銘打ってるからな。

■「なるほど。」

□解説するから、チャートとじっくり見比べてくれ。平成23年11月
③短期>長期>中期 の「本格上昇期」からスタートだ。

その後中期線が長期線を上抜いて
④短期>中期>長期となり、待望の「上昇トレンドの完成」形になる。しかし、すぐに短期線が中期線に向けて下降し、トレンドの持続力の無さを露呈。

■「そこで、この上昇相場は短命とわかるわけですね。」

□そゆこと。そして、やがて短期線と中期線がデッドクロスする。今度は下げトレンドのスタート。
⑤中期>短期>長期、「デッドクロス」のステップだ。

しかし12月になって戻しの逆順が起こり、1ステップ巻き戻り、再度
④の短期>中期>長期となる。

■「そう簡単に下げてたまるかと踏ん張ったものの・・・」

□それは長く続かず、12月中旬には力尽き、
⑤中期>短期>長期の「デッドクロス」に舞い戻ったと思ったら
⑥中期>長期>短期の「本格下降期」を瞬く間に経過し、
①長期>中期>短期の「下げトレンドの完成」ステップまで駆け抜ける。

■「人生、転がり落ちだしたら早いですね。田舎から出てきた高卒女子が、水商売始めたと思ったらあっという間にAV女優になっていたという・・・そういう転落パターンですね」

□たとえが下品過ぎる。