CFTC大口投機資金動向(4/1時点):金・原油買いが縮小

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における4月1
日時点の大口投機家の売り越しは448万5229枚となり、前週の413万4686
枚から拡大した。取組高合計は4571万5773枚となり、前週から33万3738
枚(0.7%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が2.7%増、債券
合計が0.4%増、為替合計が0.3%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
2.0%増、エネルギー合計は1.4%増、金属合計は2.1%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを
上回って売り越しを縮小、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大した。
為替は手じまい売り、新規売りが出て売り越し(ドル買い)に転じた。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、トランプ米大統領が相互関税を発表し、リスク回避の動きとなった。中国が
報復措置を発表すると、貿易戦争の激化に対する懸念が強まった。トランプ米大統領は
「私の政策は決して変わらない」と述べており、貿易戦争の行方を確認したい。欧州連
合(EU)の対応も当面の焦点である。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が12万1774枚買い越し(前週12万
5376枚買い越し)、ユーロは5万1835枚買い越し(同6万5525枚買い越し
し)、英ポンドは3万4626枚買い越し(同4万4283枚買い越し)となった。ユ
ーロは手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油が米大統領の相互関税発表や貿易戦争激化に対する懸念を受けて
急落し、2021年4月以来の安値60.45ドルを付けた。金は貿易戦争に対する懸
念を受けて史上最高値を更新したのち、リスク回避の動きを受けて急落した。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万7685枚買い越し(前
週18万0558枚買い越し)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。ニューヨ
ーク金は23万8434枚買い越し(同24万9796枚買い越し)に縮小、ニューヨ
ーク・プラチナは1万4975枚買い越し(同1万3558枚買い越し)に拡大した。
金は新規売りが新規買いを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが16万6869枚買い越し(前週20万
0371枚買い越し)に縮小、大豆は3512枚売り越し(同1万4410枚売り越
し)に縮小した。コーンは手じまい売り、新規売りが出て、大豆は買い戻しが手じまい
売りを上回った。前週のコーンは、米国の相互関税に対する懸念も強気な輸出や米産地
荒天が下支えになった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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