[Vol.1069] 大人気投資信託の「逆」の値動きに注目する

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。69.05ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,818.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年01月限は13,715元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年10月限は444.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで826.9ドル(前日比10.5ドル拡大)、円建てで2,902円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月2日 20時0分頃 先限)
6,418円/g 白金 3,516円/g
ゴム 208.1円/kg とうもろこし 33,790円/t

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「大人気投資信託の「逆」の値動きに注目する」

前回から、金やプラチナなどへの投資手法の一つでもある、積立について述べています。前回は「積立投資とはなにか?」として、積立と都度投資の違いなどについて書きました。

今回は「大人気投資信託の「逆」の値動きに注目する」として、大人気の投資信託(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))の基準価額と、それをもとに計算した真逆の基準価額をもとに、評価額がどのように推移したのかについて書きます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、大人気の投資信託ゆえ、新型コロナショックの急落時や今時点の基準価額がいくらであるか、想像がつく方もいらっしゃると思います。

その基準価額を、積立投資とはどのような取引であるかを考えるため、正しい基準価額と、その逆のパターンを用意しました。正しい基準価額(正のパターン)は、新型コロナショック直後はおよそ1万円、8月初旬時点でおよそ1万6,700円です。

逆のパターンは、新型コロナショック直後はおよそ1万円、8月初旬時点でおよそ3,200円です。

2020年4月から2021年8月までの17カ月間、月々1万円、正のパターンと逆のパターンに積立投資をしたとします。

この間、この投資信託が連動することを目指す米国の株価指数は史上最高値を何度も更新したため、基準価額(正のパターン)が上昇し続け、評価額(その時の基準価額×保有数量で計算)は、2021年8月時点で、22万円に達しました。

一方、逆のパターンの評価額はどうでしょうか。シミュレーション上、17万円(毎月の積立の額が1万円)を上回っていれば利益が出ている計算になりますが、逆のパターンの評価額はそれを下回る、9万円でした。

次回以降、正のパターンと逆のパターンの「保有数量」の推移に注目します。

図:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額と1万円を基準に計算した逆パターン


出所:各種情報源をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。