[Vol.1110] ガソリン小売価格はこの1年半でおよそ1.3倍

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。84.28ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,796.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年01月限は14,365元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年12月限は535.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで735.35ドル(前日比8.15ドル拡大)、円建てで2,699円(前日比77円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月2日 大引け 6番限)
6,545円/g 白金 3,846円/g
ゴム 226.5円/kg とうもろこし 41,000円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ガソリン小売価格はこの1年半でおよそ1.3倍」

前回は、「銅 年内11,000ドル目標」として、前回の金と同様、2021年夏に「脱炭素」の意味が変化したことを考慮した上で、筆者が考える年内の銅相場のイメージを書きました。

今回は、「ガソリン小売価格はこの1年半でおよそ1.3倍」として、この1年半の、レギュラーガソリン、ハイオク、軽油、灯油の小売価格の推移に注目します。

以下のグラフのとおり、ガソリン(ハイオク、レギュラー)、軽油、灯油の小売価格は、1年半前のおよそ1.3倍まで、上昇してきています。

自動車の燃料に使われる3つの油種の変動率は、2020年4月から同年年末まで、ほぼ同じでした。しかし、2021年春ごろから、軽油の上昇率がレギュラーに比べて高くなり、ハイオクの上昇率がレギュラーよりも低くなりました。また、夏の終わりごろから、灯油の上昇率が高くなりました。

こうした動きを経て、2021年10月25日時点で、ハイオクは178.2円、レギュラーは167.3円、軽油は147.1円、灯油は1,910円(18リットルあたり)となりました。世界規模の問題だと報じられている原油高が、わたしたちの生活に直に、影響を及ぼしている訳です。

2021年春ごろから、販売店は、原油価格急上昇の最中にあって、ハイオクの価格上昇率を(レギュラーよりも)下げたり、軽油の価格上昇率を(レギュラーよりも)上げたりするなど、油種間の価格上昇率を調整しながら、自社の収益向上とお客様の負担軽減の同時進行を、模索しているようです。

図:全国の4油種の小売価格(税込)の推移 2020年4月27日を100として指数化


出所:資源エネルギー庁のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。