[Vol.1132] やっても無駄なのか?2022年の相場予想

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.16ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,779.60ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は14,630元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年01月限は451.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで853.3ドル(前日比4.4ドル縮小)、円建てで3,066円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月6日 18時39分頃 6番限)
6,477円/g 白金 3,411円/g
ゴム 235.4円/kg とうもろこし 38,000円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「やっても無駄なのか?2022年の相場予想」

前回は、「年内の価格見通し:金・原油反発か」として、年内の金(ゴールド)と原油の価格見通しについて、筆者の考えを述べました。

今回は、「やっても無駄なのか?2022年の相場予想」として、来年2022年の相場見通しを行うことについて、筆者の考えを述べます。

毎年11月下旬から12月中旬といえば、翌年の相場見通しについて考えを巡らせるタイミングですが、今年はどこか例年にない雰囲気を感じます。2022年を見通すことは、難しいのではないか?(不可能なのではないか?)という声を、各所で耳にするためです。

2019年末に立てた予想が、翌2020年に新型コロナがパンデミック化したため、大きく狂った。2020年末に立てた予想が、脱炭素が進んで下落するとの見方が大勢だった原油相場が急伸したことや、新型コロナの変異種の発生が相次いだため、狂った・・・。

2020年以降、新型コロナの感染状況が見通せない状態が続いています。その他、いくつも不確定要素があります。このため、2022年についても、予想を立てたとしても、2020年や2021年と同様に、いとも簡単に狂うことはあるのだと思います。

こうした状況にあって、アナリストは何もしなくてよいのか?と自分へ問うた時、そんなことはない、予想をしない選択はない、何かできることはあるはず、できない、と決めるのではなく、考えることに意味がある・・・と返答が沸いてきました。

2022年も、数秒から数週間程度の短期的な値動きを予想することが、難しい状態が続くでしょう。このため、複数の中期的なシナリオを立てることを前提に、困難とされる2022年の相場予測をあえて実践してみることにしました。

次回以降、2022年の相場予想のための筆者が考える前提条件について、書きます。

図:2021年12月3日までの年初来騰落率


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。