[Vol.1140] 2022年とは?

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。67.53ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,800.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は14,210元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年02月限は450.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで885.9ドル(前日比15.5ドル拡大)、円建てで3,194円(前日比6円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月20日 18時35分頃 6番限)
6,556円/g 白金 3,362円/g
ゴム 227.9円/kg とうもろこし 37,940円/t

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「2022年とは?」

前回は、「2022年もプラチナの需給バランスは引き締まるか」として、プラチナの需給バランスの推移に注目しました。

今回は、「2022年とは?」として、2022年の各種コモディティ価格の動向を考える上で考察すべき、2022年がどういう年になりそうか、という問いについて、述べます。

目下、欧州の温室効果ガス排出権価格は、2020年以降、急騰の域に入っています。

コロナ禍からの経済回復、バイデン米大統領の誕生、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)の開催などにより、規定以上に温室効果ガスを排出してしまう国や企業が、そうでない企業から、排出する権利を融通する動きが、強まっているためです。

「脱炭素」に取り組んでいることをアピールしたい企業らが、積極的に購入しているため、権利が実態以上に流通している可能性があると、報じられています。今、それほどまでに、「脱炭素」をアピールすることが、社会の常識になりつつあるわけです。

以下の図は、「脱炭素」を含んだ、さまざまな社会情勢の変化を示しています。1990年ごろと現在は、特に人口、消費、格差、金融、情報技術、気象、米国情勢などの分野において、大きな変化がありました。

こうした変化が生じていた最中、新型コロナがパンデミック化し、脱炭素が本格化しました。「コロナ&脱炭素」が本格化し、社会情勢の変化が「さらに」激しくなった2020年は、ある意味、「元年」といえ、2022年はその3年目だと言えるでしょう。

図:2020年の前後30年間の、社会情勢の変化(見通し込み)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。