ドリアン、ハリケーンに発達

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。55.78ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,555.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は11,650元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年10月限は430.3元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで639.75ドル(前日比4.15ドル縮小)、円建てで2,142円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月29日 16時40分頃 先限)
 5,254円/g 白金 3,112円/g 原油 36,670円/kl
ゴム 160.0円/kg とうもろこし 22,470円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「ドリアン、ハリケーンに発達」

今回は、昨日ハリケーンに発達した、ドリアンについて書きます。

ハリケーンは大西洋と東太平洋上で発生する熱帯暴風雨(風速18メートル/秒以上)のことで、名前がつきます。

その年発生した順番に、Aを頭文字にした人名が、2番目以降はB・・・Cの順に、かつ男女の名前が交互につきます。

風速33メートル/秒以上になるとハリケーンになります。過去の記事「ハリケーン?熱帯暴風雨?風速は秒速何メートル?」をご参照ください。

熱帯暴風雨だったドリアン(頭文字はD。今年4番目の熱帯暴風雨)は、昨日(8月28日)、ハリケーンに発達しました。

場所は大西洋の西側、プエルトリコの北側で、以下の図のとおり、本日時点でドリアンの進路はフロリダ半島方面と予想されています。

フロリダ半島を横切れば、メキシコ湾の油田地帯に接近する可能性が生じます。

以前の「ハリケーン襲来が心理的な原油価格の上昇要因になる理由」で書いた通り、メキシコ湾周辺は米国の65%を超える量の原油を生産する地域であり、付近でのハリケーンの発生や勢力の拡大は、原油の供給減少懸念を高めます。

2005年9月と2008年9月に超大型ハリケーンがメキシコ湾の油田地帯を通過し、米国全体の原油生産量が前月比でともにおよそ20%も減少し、回復まで数カ月かかりました。

一方、2017年8月にテキサス州に上陸したハービーですが、テキサス州にあるシェール主要地区であるイーグルフォード地区においてやや減少したものの、大きな影響はありませんでした。

ハリケーンが実際に米国の原油生産量を減少させるかどうかは、ハリケーンが超大型で勢力を保ったままメキシコ湾の油田地帯を通過するかどうかによると考えられます。

まずはドリアンの今後の勢力と進路に、注意が必要です。

図:過去の主要ハリケーンの進路と「ドリアン」の位置
過去の主要ハリケーンの進路と「ドリアン」の位置

出所:NHC(国立ハリケーンセンター)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。