[Vol.1233] 「新しい常識」で見て金価格は超長期的に上昇!?

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。104.47ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,853.34ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は12,680元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年06月限は677.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで871.34ドル(前日比3.34ドル拡大)、円建てで3,741円(前日比20円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月12日 11時59分頃 6番限)
7,706円/g
白金 3,965円/g
ゴム 245.7円/kg
とうもろこし 57,500円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 7日午前8時59分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「新しい常識」で見て金価格は超長期的に上昇!?」

前回は、「金(ゴールド)の新たな超長期変動要因」として、「西側のパラドックス起因の弱点を突いたロシアのウクライナ侵攻が「資本主義への攻撃」である可能性があること」が、金相場に与える影響について、考えました。

今回は、「「新しい常識」で見て金価格は超長期的に上昇!?」として、現在の金(ゴールド)相場を考察する上で必要とみられる社会学の要素を考慮する「新しい常識」が、金相場に与える影響について考えます。

[Vol.1232] 金(ゴールド)の新たな超長期変動要因」で述べた通り、ウクライナ危機起因の強い不安は長期化する可能性があるため、資金の逃避先と目されやすい金(ゴールド)に、長期的に資金が流入する可能性があります。

また、[Vol.1230]から[Vol.1232]で述べた内容には、経済学の要素よりも、社会学の要素(人間と欲望の関係、欲望の特徴、社会に存在するパラドックスなど)が多く含まれていました。

このことは、「[Vol.1226] 「現在の常識」を深く理解する方法」で述べた、「現在の常識」は経済学と社会学を併用しなければ説明できない、という点と合致します。

「過去の常識」を捨て、「新しい常識」で金(ゴールド)市場を見つめれば見つめるほど、金は超長期的に有望な投資対象であると、感じられるのではないでしょうか。

以下のグラフは、ドル建ての金(ゴールド)価格と関連する投資信託、ETF(上場投資信託)の価格推移です。必ずしも、スポット(現物)価格と値動きが一致するわけではありませんが、投資信託もETFも、それに近い値動きを示しています。

円建て金(ゴールド)関連の銘柄とドル建て金関連の銘柄の関係は、「[Vol.1221] 金(ゴールド)の理論値と実態」で述べていますので、ご覧ください。

図:金(ゴールド)関連の投資商品(一例)の価格推移(週足終値 2022年2月18日を100)


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。