原油反落。主要株価指数の反落などで。110.91ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,821.90ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は12,860元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年08月限は728.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで910.4ドル(前日比5.05ドル縮小)、円建てで3,987円(前日比56円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月29日 11時51分頃 6番限)
金 7,936円/g
白金 3,949円/g
ゴム 258.9円/kg
とうもろこし 52,270円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「原油市場」でぶつかるロシアと西側の思惑」
前回は、「「インフレ退治」に成功すれば支持率上昇」として、「インフレ退治」がリーダーたちの支持率向上に結び付くことについて、述べました。
今回は、「「原油市場」でぶつかるロシアと西側の思惑」として、ウクライナ危機発生後の、西側とロシア双方の、原油市場における思惑を整理します。
前回、西側が利上げを敢行している理由を、国内情勢に注目して述べました。ここからは、範囲を西側と敵対するロシアに広げ、西側が利上げなどを行う(原油相場を下げたい)理由、ロシアが資源の囲い込みなどを行う(原油相場を上げたい)理由について、考えます。
原油相場は「戦場」
原油相場は今、西側とロシアにとって、相手にダメージを与えたり、メリットを享受したりする場になっています。さしずめ「戦場」と化していると言えるでしょう。西側は利上げなどを敢行し、原油相場に下落圧力をかけています。たとえ景気鈍化が深刻化しても、です。
一方、ロシアは自国資源の囲い込みを強化したり、ウクライナで蛮行を繰り返し、西側にロシア産のエネルギーを買わないように(制裁を強化するように)仕向けたりして、エネルギー需給を引き締め、原油相場を高止まりさせています。たとえ世界で孤立しても、です。
原油は「経済の血液」といわれることがあります。経済の循環に欠かせない存在であり、かつ世界の隅々まで行き渡っているもの、という意味です。原油の市場が戦場になっているのであれば、その戦争は世界規模で起きている、さながら「世界大戦」と言えるでしょう。
この2週間、西側は一丸となり「利上げ攻勢」で原油相場を下落させ、西側なりのメリットを享受し、ロシアにも一定のダメージを与えました。それまで、原油相場が高騰し、西側は劣勢だったわけですが、この2週間は、西側が「反撃」をしたと言えます。
「原油相場上昇」それぞれの意味
西側にとって、原油相場の上昇は、デメリットが大きくなる要素です。インフレがさらに進行して、社会がより不安定化する、リーダーたちに対する国民の支持が一段と低下するなど、ダメージが大きくなるためです。
対ロシアでみてもデメリットがあります。原油相場が上昇すれば、ロシアが、ウクライナ戦のための戦費をより多く獲得したり、他の産油国からのさらなる支持を取り付けたりすることを、許してしまうためです。
一方、ロシアにとって、原油相場の上昇は、メリットが大きくなる要素です。獲得できる戦費や産油国内での発言力が増したり、敵対する西側が高インフレと強い不安感にあえぐ姿を傍観(ぼうかん)したりできるためです。(世界で孤立するというデメリットも発生)
「原油相場下落」それぞれの意味
西側にとって、原油相場の下落は、メリットが大きくなる要素です。先述のとおりリーダーの支持率が上昇するだけでなく、ロシアの戦費が減少したり、産油国のロシアに対する支持が低下したりするためです。(利上げ起因であるため、景気鈍化というデメリットも発生)
一方、ロシアにとって原油相場の下落は、デメリットが大きくなる要素です。獲得できる戦費や産油国内での発言力が低下したり、敵対する西側が高インフレから解放され、経済回復が進むことを、許したりしてしまうためです。
図:「原油市場」でぶつかる西側とロシアの思惑
出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,821.90ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は12,860元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年08月限は728.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで910.4ドル(前日比5.05ドル縮小)、円建てで3,987円(前日比56円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(6月29日 11時51分頃 6番限)
金 7,936円/g
白金 3,949円/g
ゴム 258.9円/kg
とうもろこし 52,270円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「原油市場」でぶつかるロシアと西側の思惑」
前回は、「「インフレ退治」に成功すれば支持率上昇」として、「インフレ退治」がリーダーたちの支持率向上に結び付くことについて、述べました。
今回は、「「原油市場」でぶつかるロシアと西側の思惑」として、ウクライナ危機発生後の、西側とロシア双方の、原油市場における思惑を整理します。
前回、西側が利上げを敢行している理由を、国内情勢に注目して述べました。ここからは、範囲を西側と敵対するロシアに広げ、西側が利上げなどを行う(原油相場を下げたい)理由、ロシアが資源の囲い込みなどを行う(原油相場を上げたい)理由について、考えます。
原油相場は「戦場」
原油相場は今、西側とロシアにとって、相手にダメージを与えたり、メリットを享受したりする場になっています。さしずめ「戦場」と化していると言えるでしょう。西側は利上げなどを敢行し、原油相場に下落圧力をかけています。たとえ景気鈍化が深刻化しても、です。
一方、ロシアは自国資源の囲い込みを強化したり、ウクライナで蛮行を繰り返し、西側にロシア産のエネルギーを買わないように(制裁を強化するように)仕向けたりして、エネルギー需給を引き締め、原油相場を高止まりさせています。たとえ世界で孤立しても、です。
原油は「経済の血液」といわれることがあります。経済の循環に欠かせない存在であり、かつ世界の隅々まで行き渡っているもの、という意味です。原油の市場が戦場になっているのであれば、その戦争は世界規模で起きている、さながら「世界大戦」と言えるでしょう。
この2週間、西側は一丸となり「利上げ攻勢」で原油相場を下落させ、西側なりのメリットを享受し、ロシアにも一定のダメージを与えました。それまで、原油相場が高騰し、西側は劣勢だったわけですが、この2週間は、西側が「反撃」をしたと言えます。
「原油相場上昇」それぞれの意味
西側にとって、原油相場の上昇は、デメリットが大きくなる要素です。インフレがさらに進行して、社会がより不安定化する、リーダーたちに対する国民の支持が一段と低下するなど、ダメージが大きくなるためです。
対ロシアでみてもデメリットがあります。原油相場が上昇すれば、ロシアが、ウクライナ戦のための戦費をより多く獲得したり、他の産油国からのさらなる支持を取り付けたりすることを、許してしまうためです。
一方、ロシアにとって、原油相場の上昇は、メリットが大きくなる要素です。獲得できる戦費や産油国内での発言力が増したり、敵対する西側が高インフレと強い不安感にあえぐ姿を傍観(ぼうかん)したりできるためです。(世界で孤立するというデメリットも発生)
「原油相場下落」それぞれの意味
西側にとって、原油相場の下落は、メリットが大きくなる要素です。先述のとおりリーダーの支持率が上昇するだけでなく、ロシアの戦費が減少したり、産油国のロシアに対する支持が低下したりするためです。(利上げ起因であるため、景気鈍化というデメリットも発生)
一方、ロシアにとって原油相場の下落は、デメリットが大きくなる要素です。獲得できる戦費や産油国内での発言力が低下したり、敵対する西側が高インフレから解放され、経済回復が進むことを、許したりしてしまうためです。
図:「原油市場」でぶつかる西側とロシアの思惑
出所:筆者作成