[Vol.1302] 商品関連投信は原資産の配分が異なる点に注意

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。90.41ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,768.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年01月限は12,670元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年10月限は700.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで864.65ドル(前日比1.65ドル縮小)、円建てで3,757円(前日比26円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月19日 10時35分頃 6番限)
7,657円/g
白金 3,900円/g
ゴム 226.5円/kg
とうもろこし 45,740円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「商品関連投信は原資産の配分が異なる点に注意」

前回は、「ウクライナ危機鎮静化こそが不安解消の決定打」として、主要銘柄の騰落率(2022年1月と7月を比較)を確認しました。

今回は、「商品関連投信は原資産の配分が異なる点に注意」として、関連する投資信託が連動を目指す原資産の構成比率を確認します。

前回述べたとおり、早期のウクライナ危機鎮静化が難しく、エネルギーや食糧価格が高止まりする可能性がある中で、具体的に投資をしようとした場合、どのような選択肢があるのでしょうか。しばしば耳にするのが、「とりあえず」コモディティ、という声です。

例えば一口に「コモディティ関連の投資信託」といっても、内情はさまざまです。以下のとおり、連動を目指す原資産の構成比率は同一ではありません。

エネルギー(原油だけでなく天然ガスと石炭も)と食糧価格が、長期的に高止まりすると想定すれば、「エネルギーと食糧の比率が均等であること」が望まれるでしょう。また、前回の図「主要銘柄の騰落率(2022年1月と7月を比較)」で示したとおり、金属価格の弱さが目立っていることから、「金属の比率が低いこと」も一案に浮上するでしょう。

ウクライナ危機が長期化することを前提とすれば、こうした二つの観点が生まれ、それに基づき、銘柄選択をしていくわけです。「とりあえずどれか」ではなく、その時の市場環境を考慮し、構成比率に留意して銘柄を選択すると、コモディティへの投資が効率化されていくと感じます。

図:各投資信託が連動を目指す原資産の構成比率 2022年7月1日時点 合計を100として算出
図:各投資信託が連動を目指す原資産の構成比率 2022年7月1日時点 合計を100として算出

出所:各種資料より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。