中南米の原油生産量は、長期的に減少傾向

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。58.19ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,501.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は12,000元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年11月限は448.9元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで559.05ドル(前日比3.55ドル縮小)、円建てで1,911円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(9月11日 18時35分頃 先限)
 5,159円/g 白金 3,248円/g 原油 38,490円/kl
ゴム 169.7円/kg とうもろこし 23,080円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「中南米の原油生産量は、長期的に減少傾向」

前回は「メキシコよ、おまえもか!?」として、ベネズエラと同様、長期減少傾向にあるメキシコの原油生産量について書きました。

今回は「中南米の原油生産量は、長期的に減少傾向」として、メキシコやベネズエラを含んだ中南米諸国全体の原油生産量の動向について書きます。

ここでいう中南米とは、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ベネズエラ、その他中南米、の原油生産量の合計です。

このうちベネズエラとエクアドルは、OPEC加盟国で、現在の減産において、ベネズエラは減産免除国、エクアドルは生産量に上限が設定されている減産実施国です。

統計上、この2カ国の原油生産量のデータには2次供給は含まれていません。

以下は中南米諸国の原油生産量の推移です。おおむね、毎年3月ごろにその年の底を打ち、9月ごろに天井をつけるという、年単位の波が確認できます。

これは、次回以降書きますが、当該国の中で最も生産量が多い、ブラジルの生産量の変動によるものです。

全体的には、1999年から2014年ごろまで、中南米諸国の原油生産量はほぼ横ばいでした。

そして、2014年ごろからは、緩やかな減少傾向にあります。

生産量の規模的には、2019年7月時点で日量938万バレルですので、現在減産期間中にあるサウジよりもやや少ない量です。(同月のサウジの原油生産量は日量985万バレル)

一口に中南米諸国の原油生産量と言っても、前回の「メキシコよ、おまえもか!?」で述べたベネズエラやエクアドルのように、長期的な減少傾向にある一方、ブラジルのように長期的な増加傾向にある国もあります。

次回以降、国ごとの原油生産量について書きます。

図:中南米諸国の原油生産量(ベネズエラとエクアドルは2次供給含まず)
単位:万バレル/日量
中南米諸国の原油生産量(ベネズエラとエクアドルは2次供給含まず)

出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。