[Vol.1387] 23年のプラチナ、超長期価格上昇の第一歩となるか

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。78.64ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,802.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,625元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年02月限は547.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで810.95ドル(前日比0.65ドル縮小)、円建てで3,503円(前日比1円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月23日 10時28分頃 6番限)
7,641円/g
白金 4,138円/g
ゴム 222.6円/kg
とうもろこし 44,120円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「23年のプラチナ、超長期価格上昇の第一歩となるか」
前回は、「排ガス規制強化が単位あたりの同需要増加要因」として、プラチナと金の価格推移を、確認しました。

今回は、「23年のプラチナ、超長期価格上昇の第一歩となるか」として、プラチナ価格の推移を、確認します。

前々回述べたとおり、「イメージ」によって、長期的な低迷を強いられ、金(ゴールド)との長期的な(短期ではない)価格の関わりを絶たれたプラチナでしたが、かえってそのことで、プラチナは自我に目覚めたと言えると筆者は考えています。

前回述べた「自動車1台あたりの排ガス浄化装置向け需要」を増やしているのは、西側が強力に推進する「脱炭素」です。また、超長期視点で、「脱炭素」がプラチナに新しい需要をもたらす期待が浮上しています(グリーン水素の精製装置向け需要、燃料電池車の発電装置向け需要)。

[Vol.1383] 2023年のプラチナ相場、価格反発を予想」で述べた「2023年は価格が反発すると考える」という点と合わせて考えると、2023年の反発が、超長期視点の価格上昇の第一歩になる可能性もあると、筆者はみています。

ここまでの数回で、2023年のプラチナ相場の見通しを示しつつ、超長期視点のイメージを述べました。プラチナを用いた長期投資のご参考になれば幸いです。

図:プラチナ価格の推移(ドル建てスポット 月間平均) 単位:ドル/トロイオンス
図:プラチナ価格の推移(ドル建てスポット 月間平均)

出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。