[Vol.1395] 価格下落時が、購入数量を増やす好機

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.39ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,838.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,895元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年03月限は528.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで776.45ドル(前日比5.45ドル拡大)、円建てで3,485円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月6日 17時58分頃 6番限)
7,916円/g
白金 4,431円/g
ゴム 222.2円/kg
とうもろこし 44,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「価格下落時が、購入数量を増やす好機」
前回は、「下落しても利益が出る場合がある!?」として、積立投資への理解を深めるためのクイズの答えを、述べました。

今回は、「価格下落時が、購入数量を増やす好機」として、前々回のクイズで述べた価格推移とそれをもとに積立投資をした場合の月ごとの購入数量について、述べます。

積立投資の損益は、「保有数量×最終価格」で計算します。このため、クイズのように、いくら最終価格が低くても、保有数量が多ければ、利益が出る場合があります。

では、保有数量はどのような時に増えやすいのでしょうか。以下は価格と、保有数量を左右する「月ごとの購入数量」の推移です(月ごとの購入数量の累積が最終的な保有数量)。

価格が下落すればするほど、月ごとの購入数量が増加することがわかります。一部、曲線になっているのは、価格がゼロ円に接近すると、購入数量の増減が顕著になるためです。

純金積立を例にすると、月々の投資金が1万円で、その月の貴金属の価格が1万円(1グラムあたり)の場合、その月に購入できる量は1グラムです。貴金属の価格がその半値の5,000円の場合、購入できる量は倍の2グラムです。価格が下がると、投資金の額が同じでも購入できる量は、増えるのです。

保有数量を効率的に増やすことができれば、収益を効率的に増やすことができます。時間をかけて、コツコツと、余計な事をせず、あきらめず、着実に、積み立てを継続することによって、「価格下落でも利益獲得」を実現できる場合があるのです。

図:シミュレーションの結果 価格と月ごとの購入数量
図:シミュレーションの結果 価格と月ごとの購入数量

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。