[Vol.1454] 「コモディティ価格」に秘められた意味

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。81.21ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,999.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,795元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年05月限は583.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで992.25ドル(前日比11.75ドル縮小)、円建てで4,258円(前日比30円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月4日 19時03分頃 6番限)
8,447円/g
白金 4,189円/g
ゴム 210.8円/kg
とうもろこし 42,900円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『コモディティ価格』に秘められた意味」
前回は、「『高リスク時代』に社会人になった」として、「人類最後の日」までの残り時間(公表年のみ記載)を、確認しました。

今回は、「『コモディティ価格』に秘められた意味」として、「高リスク」時代を乗り切るために必要なこととコモディティ投資の関係について、筆者の考えを述べます。

「高リスク時代」に生きるわたしたちに、何ができるのでしょうか。リスクに対してどのような策であらがうことができるのか、という問いです。

以下は、現在の「高リスク時代」における主要なリスク(五つ)と、それらから想起される、「高リスク」時代を乗り切るために必要なことです。リスクは確かにあります。しかし、対策もあるのです。

「インフレ(物価高)」やさまざまな「争い」がなぜ起きているのかを、正しく知ることができれば、どうなればそれらが終わるのか(原因の消滅=事象の消滅)を、イメージできるようになります。

「上流」や「分断」のイメージを持つことで、「インフレ」や「争い」起因の不安を低減することができると、考えます(いたずらに不安がらずにすむようになる)。

また、「AI台頭」の時代にあって、真実が見えにくくなるリスクが増大していますが、この点は、「疑う」ことを習慣にすることで、このリスクを低減できます。

「気候変動」により地球が住みにくくなるリスクについては、単に化石燃料の消費を減らすばかりではなく、「矛盾」認め、世界全体を、鳥が上空から物事を幅広く見渡すように俯瞰(ふかん)することが有効です。

こうした「対策」を講じれば、「高リスク時代」を生き抜く力を養うことができると、筆者は考えています。そして具体策は、「超長期視点でコモディティ(国際商品)価格に触れ続けること」です。

次回以降述べますが、「コモディティ価格」は、多くの事象の「川上」に位置します。また、「分断」の象徴でもあり、同時に、常識が通じない値動きをしたり(「疑う心」が必要)、ホンネとタテマエのはざまで浮かび上がったりします(「矛盾」の存在を示唆する)。

つまり、「コモディティ価格」に触れていれば、「高リスク時代」を生き抜く力を、獲得したり大きくしたりするきっかけを得られるわけです。

図:「高リスク」時代を乗り切るために必要なこととコモディティ投資の関係


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。