[Vol.1583] 「コモディティ=先物」ではない

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反発などで。85.69ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,883.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,345元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年11月限は662.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで993.25ドル(前日比8.15ドル拡大)、円建てで4,725円(前日比40円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月11日 18時16分時点 6番限)
8,937円/g
白金 4,212円/g
ゴム 239.2円/kg
とうもろこし 39,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『コモディティ=先物』ではない」
前回は、「10月4日にコモディティ投資を改めて考察」として、筆者が考えるコモディティ投資に関わることで得られること(一例)について、述べました。

今回は、「『コモディティ=先物』ではない」として、さまざまなコモディティ投資の種類について、述べます。

以下のとおり、コモディティ投資は、時間(短中期、中長期、超長期)、銘柄(金属、エネルギー、農産物)、場所(国内、海外)によって、分類できます。

しばしば、「コモディティ投資=先物取引」とされることがありますが、先物はコモディティ投資の一つの形態にすぎないため、正しい認識ではありません。先物だけでなく、現物や投資信託、ETF(上場投資信託)や関連株、CFDなどでもコモディティに投資をすることができるためです。

コモディティ投資に触れることは、こうしたさまざまな投資に触れることを意味します。留意したい点の一つに、国内・海外の区別、があります。基本的に、国内市場は海外市場に追随します。

例えば金(ゴールド)の場合、円建て金相場はドル建て金相場が下落(上昇)した場合、下落(上昇)する傾向があります。

しかし、ドル円相場が急変した場合は、その限りではありません。円安が急進した近年を振り返ると分かるとおり、ドル建て金相場はほとんど動かなくても、円建て金相場が史上最高値を何度も更新しました。急伸した円安が、円建て相場に上振れする力を与えているのです。

分析をしたり投資をしたりしているコモディティ銘柄が、円建てなのか、ドル建てなのかを明確にする必要があります。筆者はドル建てをメインで分析をしています。その分析にドル/円の変動を加味し、円建ての分析につなげています。

図:コモディティ投資のいろいろ
図:コモディティ投資のいろいろ

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。