[Vol.1584] 最上流に「コモディティ」あり

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。84.27ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,893.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は14,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年11月限は648.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで998ドル(前日比3.70ドル拡大)、円建てで4,769円(前日比25円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月12日 17時16分時点 6番限)
9,012円/g
白金 4,243円/g
ゴム 249.8円/kg
とうもろこし 40,610円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「最上流に『コモディティ』あり」
前回は、「『コモディティ=先物』ではない」として、さまざまなコモディティ投資の種類について、述べました。

今回は、「最上流に『コモディティ』あり」として、近年の世の中の全体像(筆者イメージ)を示します。

[Vol.1582] 10月4日にコモディティ投資を改めて考察」で述べた、三つの「筆者が考えるコモディティ投資に関わることで得られること(一例)」のうち、コモディティ投資について今まで以上に俯瞰的になれる、ことについて述べます。

特に近年の主要国の中央銀行の政策は、インフレ(物価高)の動向を意識したものになっています。このため、以下のイメージ図のとおり、コモディティの需給・価格の動向は、市場動向や雇用動向などの川下よりも、金融政策や景気動向、物価動向などの川中よりも、上流に位置しています。

ウクライナ危機が勃発したことで局地的あるいは玉突き的に、世界各地でさまざまなコモディティの供給懸念が発生しています。

こうした供給懸念がコモディティ価格を高止まりさせ、その高止まりにより高インフレが長引いており、それにより主要な中央銀行で利上げが続き、景気動向が不安定化している、そしてその不安定化した経済情勢の中で、各種市場が動いている、という構図です。

材料の頂点(最上流)は何かと問われれば、コモディティの需給・価格と答えることになるでしょう。ここに、「俯瞰(鳥の目になり、上空からたくさんの物事を一度に見下ろすこと)」の考え方があります。

コモディティの市場動向を考えることは、おのずと世の中を俯瞰することにつながっているのです。

コモディティの市場動向を考えているうちに、自然に俯瞰することの重要性とそれを実践する感覚が身に付くのです。俯瞰は前提をとらえたスマートな議論に欠かせないスキルです。人生を豊かにするスキルの一つだと言えるでしょう。

図:近年の世の中の全体像(筆者イメージ)
図:近年の世の中の全体像(筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。