金買い続く、第五次中東戦争の可能性も

著者:菊川 弘之
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 一方、米国内でアラブ移民が増加しているのは、米国大統領選挙の激戦区と重なっており、アラブロビーの動きも無視できなくなっている。米大統領選の行方を左右する激戦州7州合計の支持率では、トランプ氏がバイデン氏をリード。前回大統領選から逆転現象となっている。米中関係やロシアのウクライナ侵攻など外交政策への支持率でも、バイデン大統領の支持率はトランプ氏を下回っている。バイデン大統領が現役の間に、できることを全てやろうとする(やらされる)リスクにも注意したい。

 ニクソンショック(1971年8月)から50年の節目に、アフガニスタンの撤退など米覇権・米基軸通貨体制が揺らぎ始めたのに続き、第4次中東戦争勃発(1973年10月)から50年の節目に、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは、イスラエルに対して多数のロケット弾を発射。武装組織「ハマス」や「ヒズボラ」に続き、イスラエルの北側に位置するシリアからもイスラエル攻撃が行われた。

 イスラエル軍が、地上侵攻をともなう大規模攻撃にいつ踏み切るのか、緊迫した状況が続く中、周辺の産油国を巻き込む事態に発展すれば、原油供給に支障が出かねないとの見方が台頭。金や原油が急反騰となっている。今回の中東の地政学リスクの高まりが、米国の覇権・ドルの基軸通貨体制の揺らぎの幅を大きくさせる可能性は高いだろう。

州別で見たアラブ人人口比率
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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