[Vol.1638] プラチナならまだ間に合う

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。71.97ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,078.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は14,090元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年02月限は543.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1055.5ドル(前日比5.60ドル縮小)、円建てで4,919円(前日比94円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月29日 11時29分時点 6番限)
9,414円/g
白金 4,495円/g
ゴム 256.0円/kg
とうもろこし 37,050円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「プラチナならまだ間に合う」
前回は、「呪縛があったから積立が活きている」として、筆者が行ったシミュレーション上のプラチナと金(ゴールド)の保有数量の推移について述べました。

今回は、「プラチナならまだ間に合う」として、積立投資に適した銘柄の特徴(筆者イメージ)について述べます。

積立投資を効率化させるために必要なことは、保有数量を効率的に増やすことと、積み上げた保有数量を効率的に収益化することです。この二つの条件を満たし得る銘柄の特徴は、(1)価格がそもそもはじめから安いこと、(2)長期視点で価格上昇が望めること、です。

プラチナはまだしばらく、呪縛によって価格低迷を強いられ続けると、筆者はみています。以前の「[Vol.1635] 2024年は短期視点の反発を予想」で述べた2024年の価格予想で急騰はないと述べたのはこの点が大きいです。つまり(1)は、2024年も満たされた状態が続くと考えています。

(2)については、プラチナが将来(2024年ではない)、呪縛から解放されて思い切った価格上昇を演じ、満たされる日が到来すると考えています。呪縛の根源である自動車排ガス浄化装置向け需要は、実は近年、回復傾向にあります。同需要の回復は、呪縛からの解放が近いことを示唆していると考えられます。

WPICは、2023年と2024年の同需要は、呪縛が生まれた年である2015年よりも多くなるとしています。数年以内にも、プラチナが呪縛から解放される可能性が生じていると、筆者は考えています。

2024年の価格動向はもちろん、長期視点でも、プラチナの価格動向にご注目ください。

図:積立投資に適した銘柄の特徴(筆者イメージ)
図:積立投資に適した銘柄の特徴(筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。