[Vol.1647] 小頻度でテスト当日に都市部で大雪

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。71.06ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,024.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年05月限は13,775元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年03月限は556.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1127.75ドル(前日比1.95ドル拡大)、円建てで5,367円(前日比23円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月17日 18時10分時点 6番限)
9,606円/g
白金 4,239円/g
ゴム 266.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「小頻度でテスト当日に都市部で大雪」
前回は、「『いつも』の裏に大規模な負の出来事」として、筆者が考える「いつも」が浸透する背景について述べました。

今回は、「小頻度でテスト当日に都市部で大雪」として、大学入学共通テスト(共通一次試験・センター試験含む)期間中の最大降雪量について述べます。

前々回前回述べた「いつも雪」における大規模な負の出来事とは、共通テストの日に大都市で見られた大雪です。大勢の受験生を抱える大都市で大雪が降り、電車などのダイヤが乱れ、それまで勉強にいそしんできた受験生がその成果を発揮できない可能性が生じたことがありました。

2005年1月16日の共通テスト二日目の午後、仙台で9センチ程度、雪が降りました。2006年1月21日の一日目のほぼ終日、東京で10センチ程度、2011年1月16日の二日目の午後、名古屋で11センチ程度、2017年1月14日の一日目から15日の二日目にかけて名古屋で3センチ程度の降雪が確認されました。

以下の図のとおり、これらはいずれも期間(3)の2002年から2024年の間で起きました。このことで、仙台、東京、名古屋の期間(3)の最大積雪量は、三つの期間を通じてそれぞれ最大になりました。

先述のとおり豪雪地帯を除けば、全国的には共通テストの日に降雪は確認されにくくなっていますが、大都市での大雪が小頻度で見られるようになっています。(札幌と新潟の最大降雪量が減少した点は、全国的にテスト期間中に降雪が確認されにくくなっていることと方向性が同じである)

テスト当日に大都市が大雪に見舞われたという大規模な負の出来事が「いつも雪」というイメージを作ったと考えられます。小頻度であるため、「いつかまたテスト日に大雪が降るかもしれない」という危機感が保持されています。

この危機感の保持が「いつも」のイメージを持続させていると考えられます。受験生に注意を促す意味でなされる報道もまた、イメージ持続の要因になっている可能性があります。

図:大学入学共通テスト(共通一次試験・センター試験含む)期間中の最大降雪量 単位:cm
図:大学入学共通テスト(共通一次試験・センター試験含む)期間中の最大降雪量 単位:cm

出所:気象庁のデータおよび文部科学省の資料をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。