[Vol.1768] プラチナは金(ゴールド)ほど有名ではない

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。83.67ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,412.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は14,590元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年08月限は623.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1405.1ドル(前日比2.40ドル縮小)、円建てで7,224円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月12日 17時57分時点 6番限)
12,347円/g
白金 5,123円/g
ゴム 321.0円/kg
とうもろこし 38,230円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「プラチナは金(ゴールド)ほど有名ではない」
前回は、「『価格低迷が積立を有利にする』ことを理解」として、積立シミュレーション(3パターンの価格推移)を確認しました。

今回は、「プラチナは金(ゴールド)ほど有名ではない」として、プラチナと金(ゴールド)の国際価格を確認します。

[Vol.1764] 『株高』に不安を感じる個人投資家の方々」で述べた2回の講演いずれでも、プラチナ積立が長期投資の手段として有望と考える旨を述べました。

2015年以降、価格が低迷した主因である自動車排ガス浄化装置向けの需要が足元、明確に回復傾向にあり2024年は2015年を上回る見通しさえ出ていること、長期視点で将来的に訪れる可能性がある水素社会において、グリーン水素の生成装置や水素を充填して走行する燃料電池車の発電機などの分野で、プラチナが活躍する可能性があるためです。

積立投資を効率よく行うためには、(1)価格の下落・低迷を利用して保有数量を効率的に増やすこと、(2)長期視点で価格反発が起き得ること、の二つが欠かせません。プラチナは、この両方を満たし得る銘柄であると筆者は考えています。

複数の投資家の方から、「今のところ、プラチナには注目していない」「プラチナが世界的に金(ゴールド)のようにメジャーな貴金属になれば、考えてもよいと思っている」という趣旨の言葉をいただきました。確かに、講演中にプラチナを紹介した際、けげんそうな表情をされた方が何人かおられたのも事実です。まだまだプラチナの知名度は低いと言わざるを得ません。

ですが、今回のイベントを経て改めて、筆者は相場格言「人の行く裏に道あり花の山」を強く認識しました。まさにこれは、小規模会場で行った講演のタイトル「王道の金(ゴールド)、裏道のプラチナ」のとおりです。まだ注目が集まっていないからこそ、プラチナは「裏の道」であり、花の山(利益)に近づく道になり得ると考えています。

図:プラチナと金(ゴールド)の国際価格 単位:ドル/トロイオンス
図:プラチナと金(ゴールド)の国際価格 単位:ドル/トロイオンス
出所:LBMAのデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。