米シェール、生産見通しが大幅に引き下がった!?

原油
著者:吉田 哲
原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。31.11ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,638.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は10,460元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年05月限は261.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで789.3ドル(前日終値比15.2ドル拡大)、円建てで2,595円(前日終値比40円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(3月12日 19時28分頃 先限)
 5,441円/g 白金 2,846円/g 原油 24,960円/kl
ゴム 160.7円/kg とうもろこし 22,670円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米シェール、生産見通しが大幅に引き下がった!?」

今回は、実質的には前回の続きであるものの、昨晩、サプライズ感を伴った統計が発表されたことから、今後の米シェール主要地区の展開を考える②、とせずに、タイトルを改めました。

昨晩、事前のアナウンスのとおり、1日遅れで、EIA(米エネルギー省)は月次の短期見通しを公表しました。

以下は、先月2月11日(火)に公表された2月の短期見通しと、昨日公表された3月の短期見通しに収録された、米国の原油生産量の見通しを示しています。

3月公表の見通しによれば、2020年春以降、米国の原油生産量は来年夏頃までは、減少に転じるとされています。

2月公表の見通しでは、横ばいか増加であったことを考えれば、この1カ月間で起きた原油価格の急落が、いかに、生産量の見通しを引き下げる強い材料になったかがうかがえます。

2月公表の見通しは、1月の公表日から2月の公表日の前日ごろまで、3月公表の見通しは2月の公表日から3月の公表日の前日ごろまでに作られているとみられます。

2月公表の見通し作成の前提となる原油価格を上記の期間の平均である54.6ドル、3月公表の見通しの前提を同48.2ドルと考えると、この2つのの価格の間に、米国全体のおよそ7割を占める米シェールの中でも比較的高コストの業者の損益分岐価格があると考えられます。

この2つの価格の平均は51.4ドルです。

足元の原油価格はこの51.4ドルを大きく下回っていますので、今後原油相場が急回復をしない限り、さらに活動停止を余儀なくされる業者が続出し、さらに、生産量の見通し引き下げが行われる可能性があります。

図:米国の原油生産量の見通し 単位:百万バレル/日量
米国の原油生産量の見通し

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。