[Vol.961] 石油市場はこの数カ月間“供給不足”

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。59.56ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,732.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,345元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年05月限は378.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで545.45ドル(前日比5.05ドル縮小)、円建てで1,957円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月24日 18時40分頃 先限)
6,054円/g 白金 4,097円/g
ゴム 257.5円/kg とうもろこし 29,760円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「石油市場はこの数カ月間“供給不足”」

前回は、「石油関連商品が軒並み上昇中」として、前々回に述べた原油価格の値動きの影響を受けた、石油関連の金融商品の動向について述べました。

今回は、「石油市場はこの数カ月間“供給不足”」として、世界の石油市場の需給バランスを確認します。

なぜ、クリーンエネルギー策の推進→原油価格の急落というシナリオが真逆の展開となっているのでしょうか。さまざまな理由が考えられます。以下は、世界の石油市場の全体像と言える、石油の需給バランスです。

実は、世界の石油市場の需給バランスは、共有不足が続いています。2020年6月以降、2021年1月を除けば、毎月、供給不足です。供給不足は“需給バランス”の引き締まりを意味し、価格の上昇要因になり得ます。

コロナ感染拡大→各種自粛・制限による需要減少→需給バランス緩む→供給過剰、というシナリオが思い浮かぶわけですが、データが示す実態は逆です。

需要は一定程度、回復していますが、供給の回復が鈍く、その結果、需給バランスが供給不足に陥っているわけです。

次回以降、供給不足の主因である、供給の回復が鈍い点について、書きます。

図:世界の石油需給バランス 単位:百万バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。