原油反発。米主要株価指数の上昇などで。65.21ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,835.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は14,595元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は428.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで568.65ドル(前日比8.15ドル縮小)、円建てで2,017円(前日比18円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月10日 18時20分頃 先限)
金 6,426円/g 白金 4,409円/g
ゴム 257.3円/kg とうもろこし 36,760円/t
●シカゴトウモロコシ先物(期近) 月足 単位:ドル/ブッシェル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「なぜ穀物と食用油価格は上昇しているのか?」
前回は、「鶏肉価格高と飼料価格高が同時進行」として、各種食肉小売価格と配合飼料価格の動向について書きました。
今回は、「なぜ穀物と食用油価格は上昇しているのか?」として、足元の穀物と植物油価格の上昇要因について書きます。
穀物価格と植物油価格の上昇要因に、マヨネーズや食用油などの食用油製品のメーカーが値上げを公表する際に述べた「主産地の天候不順による生産減少懸念や、中国をはじめとした世界的な需要拡大」が挙げられます。ただ、これだけではないと、筆者は考えています。
以下の通り、(1)複数の主要生産国での天候不順の他、(2)アルゼンチンの輸出関税の引き上げ、(3)中国などの需要回復、(4)緩和マネーの流入、(5)植物油では大豆油高によるその他植物油高、(6)新需要への期待、などがあげられます。筆者が特に注目しているのは、(2)と(4)、そして(6)です。
(2)の南米の主要生産国アルゼンチンでの輸出税引き上げについてですが、原則、輸出の際、輸出する業者が納める税金が増えることを意味します。このような策は、自国内の食料確保を優先する場合にとられることがあります。新型コロナの感染拡大により、国内情勢が混乱する中、食糧を確保したい思惑があるとみられます。
加えて、穀物相場を上昇させたい思惑もあると、筆者は考えています。中国という、大消費国がいる中、量をさばくことができても、単価(市場価格)が安ければ、収入は思ったように伸びません。そこで、人為的に、自国からモノが流出する量を減らす策を講じて、需給バランスを引き締める態度を示し、市場に上昇圧力をかけるわけです。これは、OPECプラスの原油の減産に似ています。自らが持つ資源を「武器」にするわけです。
(4)の金融緩和について、穀物と植物油価格が急上昇した昨年6月以降、実は、主要株価指数、ドル以外の通貨、暗号資産(仮想通貨)、金以外のコモディティ(商品)の多くが上昇していました。
単にコロナショックからの景気回復だけではなく、同時期から本格化した米国をはじめとした主要国による金融緩和がきっかけとなった「緩和マネー」が、穀物や植物油を含む、幅広い分野の投資商品の価格を大きく上昇させるきっかけとなったと考えられます。統計で確認できるいわゆる「投機筋」だけでなく、報告義務のない小口も含め、幅広い投資家の動きが活発化したと考えられます。次回以降、(6)の新需要への期待について書きます。
図:穀物・植物油価格の上昇要因

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,835.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は14,595元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年06月限は428.3元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで568.65ドル(前日比8.15ドル縮小)、円建てで2,017円(前日比18円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月10日 18時20分頃 先限)
金 6,426円/g 白金 4,409円/g
ゴム 257.3円/kg とうもろこし 36,760円/t
●シカゴトウモロコシ先物(期近) 月足 単位:ドル/ブッシェル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「なぜ穀物と食用油価格は上昇しているのか?」
前回は、「鶏肉価格高と飼料価格高が同時進行」として、各種食肉小売価格と配合飼料価格の動向について書きました。
今回は、「なぜ穀物と食用油価格は上昇しているのか?」として、足元の穀物と植物油価格の上昇要因について書きます。
穀物価格と植物油価格の上昇要因に、マヨネーズや食用油などの食用油製品のメーカーが値上げを公表する際に述べた「主産地の天候不順による生産減少懸念や、中国をはじめとした世界的な需要拡大」が挙げられます。ただ、これだけではないと、筆者は考えています。
以下の通り、(1)複数の主要生産国での天候不順の他、(2)アルゼンチンの輸出関税の引き上げ、(3)中国などの需要回復、(4)緩和マネーの流入、(5)植物油では大豆油高によるその他植物油高、(6)新需要への期待、などがあげられます。筆者が特に注目しているのは、(2)と(4)、そして(6)です。
(2)の南米の主要生産国アルゼンチンでの輸出税引き上げについてですが、原則、輸出の際、輸出する業者が納める税金が増えることを意味します。このような策は、自国内の食料確保を優先する場合にとられることがあります。新型コロナの感染拡大により、国内情勢が混乱する中、食糧を確保したい思惑があるとみられます。
加えて、穀物相場を上昇させたい思惑もあると、筆者は考えています。中国という、大消費国がいる中、量をさばくことができても、単価(市場価格)が安ければ、収入は思ったように伸びません。そこで、人為的に、自国からモノが流出する量を減らす策を講じて、需給バランスを引き締める態度を示し、市場に上昇圧力をかけるわけです。これは、OPECプラスの原油の減産に似ています。自らが持つ資源を「武器」にするわけです。
(4)の金融緩和について、穀物と植物油価格が急上昇した昨年6月以降、実は、主要株価指数、ドル以外の通貨、暗号資産(仮想通貨)、金以外のコモディティ(商品)の多くが上昇していました。
単にコロナショックからの景気回復だけではなく、同時期から本格化した米国をはじめとした主要国による金融緩和がきっかけとなった「緩和マネー」が、穀物や植物油を含む、幅広い分野の投資商品の価格を大きく上昇させるきっかけとなったと考えられます。統計で確認できるいわゆる「投機筋」だけでなく、報告義務のない小口も含め、幅広い投資家の動きが活発化したと考えられます。次回以降、(6)の新需要への期待について書きます。
図:穀物・植物油価格の上昇要因

出所:筆者作成