[Vol.1007] 調整色を強めるビットコインも金相場の上昇要因

著者:吉田 哲
原油反落。米主要株価指数の反落などで。67.89ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,902.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は13,165元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年07月限は438.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで713.1ドル(前日比5.8ドル拡大)、円建てで2,509円(前日比0円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月2日 16時30分頃 先限)
6,704円/g 白金 4,195円/g
ゴム 237.0円/kg とうもろこし 35,420円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「調整色を強めるビットコインも金相場の上昇要因」

前回は、「米金融緩和継続見通しは金相場を支える」として、年内の金相場の動向を考える上で重要とみられる3つのテーマの1つ、「代替通貨」について述べました。

今回は、「調整色を強めるビットコインも金相場の上昇要因」として、前回に続き、重要とみられる3つのテーマの1つ、「代替通貨」について述べます。

前回、足元の金相場は「代替通貨」にとして注目されていると書きました。そして、ビットコインをはじめとした暗号資産が調整色を強めている点もまた、金が「代替通貨」として注目を集めるきっかけとなっていると、考えられます。

ドル金利が低下したり、ドルが下落したりすると、ドルの代わり、いわゆる「代替通貨」が物色されることがあります。この「代替通貨」の物色の際、暗号資産や金に注目が集まることがあります。ビットコインも金も、どこの国の信用も必要としない「無国籍通貨」という共通の側面を持っているためです。

今年1月半ば以降、「代替通貨」内で競合が起きていると、筆者は考えています。以前の「金は今「代替通貨」として注目されている」で述べたとおり、1月半ば以降、ビットコインと金は逆の動きをしています。競合する状況が続く中、今後さらにビットコインが調整色を強めれば、金はその逆の動きをする(さらに反発する)可能性があります。

そして、「代替通貨」と同様、重要テーマの1つである「有事のムード」については、以前の「金価格上昇要素「有事のムード」は継続か」で述べたとおり、今後も不安が継続・散発する可能性があります。

短・中期的にこれら2つのテーマがきっかけとなり、今後も金相場が上値を伸ばす可能性があると、考えられます。

この点を考慮すれば、新型コロナショック以降、金相場を支えてきた4つの材料の今後の見通しは以下ようになると、筆者は考えています。このように考えれば、「金価格年内2,000ドル」は、妄想の域にとどまらず、現実になる可能性もあるかもしれません。引き続き、金相場の動向に注目です。

図:年内2,000ドル到達に必要だと考えられる材料の今後の展開


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。