[Vol.1219] 急騰する「円建て金」、やや上昇「ドル建て金」

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。107.05ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ウクライナ情勢の悪化懸念などで。1,985.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,485元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年06月限は701.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで980.95ドル(前日比0.9ドル縮小)、円建てで4,048円(前日比47円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月18日 14時05分頃 6番限)
8,067円/g
白金 4,019円/g
ゴム 264.7円/kg
とうもろこし 56,790円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 7日午前8時59分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「情勢緊迫が長期化すれば原油高も長期化か?」

前回は、「情勢緊迫が長期化すれば原油高も長期化か?」として、緊迫化した情勢が長期化した場合に、原油相場の高止まりが長期化する可能性について、書きました。

今回は、「急騰する「円建て金」、やや上昇「ドル建て金」」として、足元、大幅上昇する円建て金(ゴールド)の価格推移について書きます。

4月15日。大阪の金先物(標準)は、終値ベースで8,000円台に達しました(8,055円/グラム)。1982年3月23日の取引開始以来、はじめてです。

報道では、ウクライナ情勢の悪化を受けた「有事」のムードにより、資金を逃避させる動きが強まったことが主な原因とされています。金(ゴールド)は、強い不安が広がった時、資金の逃避先と目されやすい傾向があります。

以下は8,000円台という歴史的な節目に達した大阪の金先物と、世界の金(ゴールド)価格の指標の一つであるドル建てのスポット(現物)価格の推移です。

同じ金(ゴールド)でも、「どの通貨か」で、騰落率が異なることがわかります。ウクライナ侵攻当日(2月24日)と4月15日を比べると、大阪金先物は1.13倍(7,120円→8,055円)ですが、ドル建ての金スポット価格は1.04倍です(1,903.89ドル→1,978.24ドル)。この間、実におよそ10%、パフォーマンスに差が生じたわけです。

次回以降、価格推移における、円建てとドル建ての関係について、書きます。

図:大阪金先物(標準)と金スポットの価格推移 (2022年1月4日を100)


出所:マーケットスピードⅡおよびブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。