原油反発。米主要株価指数の反発などで。96.50ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,716.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は11,665元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年09月限は659.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで851.4ドル(前日比3.3ドル縮小)、円建てで3,795円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月22日 17時26分頃 6番限)
金 7,571円/g
白金 3,776円/g
ゴム 236.5円/kg
とうもろこし 44,350円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「不可逆的機運「脱炭素」起因の長期需要増加観測」
前回は、「環境配慮はプラチナの需要を維持する側面あり[2]」として、「環境配慮」とプラチナの需要のうち大きな割合を占める「自動車排ガス浄化装置向け需要」との関係について、筆者の考えを述べました。
今回は、「不可逆的機運「脱炭素」起因の長期需要増加観測」として、「環境配慮」起因の、超長期視点のプラチナの需要について、筆者の考えを述べます。
環境配慮の動きは「脱炭素」が旗印となり、世界を席巻しています。足元では、先述のとおり、プラチナの需要を減少したり維持したりする要因とみられますが、超長期的視点で見た場合、「脱炭素」は需要を増加させる要因になると、考えられます。
環境配慮先進国である欧州主要国、そして日本などは、乗り物や発電所のタービンを動かしたり、熱を発生させたりするために使用するエネルギーを、CO2(二酸化炭素)を排出する化石燃料から「水素」に切り替え、「水素社会」を目指す方針を示しています。
プラチナは、水の電気分解の仕組みを利用した「水素の精製装置」や、「FCV(燃料電池車)の発電装置」に利用されるケースがあります。水素の精製装置で用いる電気が再生可能エネルギー由来だった場合、そこで発生した水素は「グリーン水素」と呼ばれます。
水素は無色透明ですが、どのような過程を経て精製されたかを示すため、便宜的に名前に色が冠されます。グリーンは精製過程でCO2を排出しなかった水素、ブルーは排出したがそのCO2を回収した水素、グレーは排出し、そのCO2を大気中に放出した水素です。
プラチナが装置の電極部分に用いられて精製される水素は、「グリーン水素」という、最も環境にやさしい水素です。また、FCVは走行時にCO2を排出しない(水を排出する)次世代自動車として、EVなどと同じように注目されています。
ウクライナ危機が発生し、石炭、原油、天然ガスといった化石燃料の調達環境が複雑になったことで、同燃料の需給がひっ迫している地域があります。このため、「脱炭素」が後戻りしてしまうのではないかと、心配をする声が上がっています。
しかし、超長期的にみれば、世界的な「脱炭素」の流れは前に進み続けると、筆者は考えています。温暖化が進み、地球が住みにくい場所になることを望む人は、少ないはずだからです(戦争を仕掛けた人であっても、その地球に住んでいる)。
プラチナの需要は「脱炭素」の前進とともに、超長期視点で、増加していく可能性があります。これに伴い、プラチナ価格は、超長期視点で上昇する可能性があると、筆者は考えています。
銀の「太陽光発電向け需要(photovoltaics)」がそうであったように(2010年ごろまで、統計内で、存在すらなかったものの、近年、需要が増加して主要な項目の一つに追加された)、プラチナの統計でも、脱炭素関連需要の項目が追加される日が来るでしょう。
図:プラチナの「新しい常識」
出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,716.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は11,665元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年09月限は659.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで851.4ドル(前日比3.3ドル縮小)、円建てで3,795円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(7月22日 17時26分頃 6番限)
金 7,571円/g
白金 3,776円/g
ゴム 236.5円/kg
とうもろこし 44,350円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NYプラチナ先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「不可逆的機運「脱炭素」起因の長期需要増加観測」
前回は、「環境配慮はプラチナの需要を維持する側面あり[2]」として、「環境配慮」とプラチナの需要のうち大きな割合を占める「自動車排ガス浄化装置向け需要」との関係について、筆者の考えを述べました。
今回は、「不可逆的機運「脱炭素」起因の長期需要増加観測」として、「環境配慮」起因の、超長期視点のプラチナの需要について、筆者の考えを述べます。
環境配慮の動きは「脱炭素」が旗印となり、世界を席巻しています。足元では、先述のとおり、プラチナの需要を減少したり維持したりする要因とみられますが、超長期的視点で見た場合、「脱炭素」は需要を増加させる要因になると、考えられます。
環境配慮先進国である欧州主要国、そして日本などは、乗り物や発電所のタービンを動かしたり、熱を発生させたりするために使用するエネルギーを、CO2(二酸化炭素)を排出する化石燃料から「水素」に切り替え、「水素社会」を目指す方針を示しています。
プラチナは、水の電気分解の仕組みを利用した「水素の精製装置」や、「FCV(燃料電池車)の発電装置」に利用されるケースがあります。水素の精製装置で用いる電気が再生可能エネルギー由来だった場合、そこで発生した水素は「グリーン水素」と呼ばれます。
水素は無色透明ですが、どのような過程を経て精製されたかを示すため、便宜的に名前に色が冠されます。グリーンは精製過程でCO2を排出しなかった水素、ブルーは排出したがそのCO2を回収した水素、グレーは排出し、そのCO2を大気中に放出した水素です。
プラチナが装置の電極部分に用いられて精製される水素は、「グリーン水素」という、最も環境にやさしい水素です。また、FCVは走行時にCO2を排出しない(水を排出する)次世代自動車として、EVなどと同じように注目されています。
ウクライナ危機が発生し、石炭、原油、天然ガスといった化石燃料の調達環境が複雑になったことで、同燃料の需給がひっ迫している地域があります。このため、「脱炭素」が後戻りしてしまうのではないかと、心配をする声が上がっています。
しかし、超長期的にみれば、世界的な「脱炭素」の流れは前に進み続けると、筆者は考えています。温暖化が進み、地球が住みにくい場所になることを望む人は、少ないはずだからです(戦争を仕掛けた人であっても、その地球に住んでいる)。
プラチナの需要は「脱炭素」の前進とともに、超長期視点で、増加していく可能性があります。これに伴い、プラチナ価格は、超長期視点で上昇する可能性があると、筆者は考えています。
銀の「太陽光発電向け需要(photovoltaics)」がそうであったように(2010年ごろまで、統計内で、存在すらなかったものの、近年、需要が増加して主要な項目の一つに追加された)、プラチナの統計でも、脱炭素関連需要の項目が追加される日が来るでしょう。
図:プラチナの「新しい常識」
出所:筆者作成