[Vol.1332] 「ドル高・円安」とコモディティ相場

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。83.85ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,707.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所) 国慶節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心) 国慶節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで801.85ドル(前日比0.65ドル拡大)、円建てで3,837円(前日比7円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月4日 12時48分頃 6番限)
7,874円/g
白金 4,037円/g
ゴム 228.6円/kg
とうもろこし 50,980円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『ドル高・円安』とコモディティ相場」

前回は、「エネルギーとドル上昇、貴金属、非鉄下落」として、2022年度上期(4月から9月)の、主要銘柄の騰落率を確認しました。

今回は、「『ドル高・円安』とコモディティ相場」として、「ドル高・円安」がもたらす、コモディティ相場への影響を確認します。

以下のグラフは、同じ商品でありながら、異なる通貨で取引されている銘柄同士の騰落状況を比較しています(参照期間は2022年度上期)。

金(ゴールド)のドル建てと円建てを比較すると、円建ては2.8%上昇したのに対し、ドル建ては14.7%下落しました。銀は円建てとドル建て、ともに下落したものの、円建ての下落率はドル建てよりも軽微でした。プラチナとトウモロコシは金(ゴールド)と同様、原油は銀と同様でした。

ドル高はドル建て商品(国際指標)に下落圧力をかけ、円安は円建て商品に上昇圧力をかけていると言えるでしょう。通貨の動向が変動要因の全てではないものの、特に、足元の国際指標の動向を考える際は、ドルの動向に注視する必要があると言えます。

図:同一商品・異通貨銘柄の騰落率 2022年3月31日と9月30日を比較
図:同一商品・異通貨銘柄の騰落率 2022年3月31日と9月30日を比較

出所:QUICKおよびInvesting.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。