[Vol.1333] CRB指数はドル指数と反対に動いた

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。85.99ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,721.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所) 国慶節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心) 国慶節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで798.2ドル(前日比1.4ドル拡大)、円建てで3,862円(前日比26円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月5日 16時56分頃 6番限)
7,929円/g
白金 4,067円/g
ゴム 230.3円/kg
とうもろこし 50,750円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「CRB指数はドル指数と反対に動いた」

前回は、「『ドル高・円安』とコモディティ相場」として、「ドル高・円安」がもたらす、コモディティ相場への影響を確認しました。

今回は、「CRB指数はドル指数と反対に動いた」として、CRB指数、金(ゴールド)、ドル指数の推移を確認します。

ドルの動向が、コモディティ(商品)の国際指標の動向に影響を与えている様子を確認します。

「CRB(シーアールビー)指数」は、コモディティ市場全般の価格動向を示す指標として各所で用いられています。指数の配分比率は、エネルギー(原油、暖房油、天然ガスなど)が39%、穀物(トウモロコシ、大豆、小麦)が13%、その他農産物(砂糖、コーヒー、綿花など)が28%、貴金属(金、銀)が7%、非鉄金属が13%です。(2021年9月時点)

そのCRB指数の動向は、以下のとおり、今年6月上旬以降、下落しています。下落の仕方(下落途中の山と谷)が、金(ドル建て)と非常に似ていることがわかります。

これらの動きと、おおむね正反対に動いているのが、「ドル指数」です。「ドル指数」は、複数の主要国通貨に対する、ドルの総合的な強弱を数値化したものです。上昇すればドル高、下落すればドル安です。指数の内訳ではユーロが57%、日本円が13%、英国ポンドが11%、カナダドルが9%、スウェーデン・クローナが4%、スイス・フランが3%程度とされています。

6月上旬以降、一言で言えば、「ドル高・コモディティ(金を含む)安」だったわけです。前回の「[Vol.1332] 『ドル高・円安』とコモディティ相場」で述べた、「ドル高は、ドル建て商品(国際指標)に下落圧力をかけている」という点と、符合します。

図:CRB指数、金(ゴールド)、ドル指数の推移
図:CRB指数、金(ゴールド)、ドル指数の推移

出所:QUICKおよびInvesting.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。